、ついに期末になってしまいました。上期の成果のまとめで大変な時期です。プロジェクト全体としては
事業場への報告を控え、技術者個人としては上期の取り組みのまとめの資料や特許出願など、
特に、予定が遅れて成果物が出来ていない技術者にとっては、
つじつま合わせの、まさに正念場と言える時期でしょう。
私もひとごとのように書いている場合ではなく、さらに、研修の中間報告も重なっているため、その提出書類の
締め切りが今日(9月30日)、とまさに、絶対絶命、の大ピンチなのです。
「今日締め切りの計画書がまだ未提出なのですが」
「えぇ?あ、そんなものがありましたっけ、ああ、ああ、これですか、今日中の提出でいいですか?」
「今日中なら待ちますけど、でも上司印とかいりますからね、早めにお願いしますよ。」
「わかりました。ところで、ものは相談なんですけど、今日中でいい、っていうことは、明日の朝8時半までならOK、ってことですよね」
「う〜ん...。まぁ、結構ですけど。私の机の上に置いておいてください。」
「で、実は、本当の真実の締め切りは、来週の今日中、ってことはないですか?」
「ありません。」
この会話はウソのように思うかもしれませんが、実際にあった会話です。多少は、面白おかしく誇張していますけど。
、北海道で地震が発生しました。マグニチュード8震度6とは、恐ろしい。その割りに被害が少なかったようで
す。1952年の十勝沖地震と震源がほぼ同じだそうで、数十年に
一回はおこると言われているようです。そこまで判っていても今回も予知はできませんでした。
東海大地震は
予知しようと強力な観測網をしいてますが、そんな努力をあざ笑うかのように、阪神、東北、北海道と、大きな地震は東京から離れたところで発生しています。発生した後の分析はいろんな面でできるようになってきました。観測点も増やしているようだし、
いずれは、地震予知ができるようになるのでしょうか。
予知予言、といっても、これから30年のうちに発生するでしょう、てな予報ではあまり役に立たないし、
かといって、
女性キャスターが笑顔で
「京都南部、明日の地震発生確率は30%です。非常食や懐中電灯の電池などの点検を行い、
外出の際にはヘルメット等を持つようにしましょう。」
なぁんて、なさそうな感じですよね。
活断層にかかっている歪と応力を
常に測定して、日本の活断層地図にリアルタイムに表示する天気図ならぬ応力地図なんて
できるのでしょうか。
mm単位の位置測定と音速の測定で、今でもできそうな気もします。海底の断層は難しいかな。
は最近、よくあたるようになってきました。特に、3日後くらいまでの予想精度はかなりよくなったのでは
ないでしょうか。でも、季節の変わり目など、天気が不安定な時期で本当に天気予報を頼りにしたい
ときの精度はちょっと頼りない気がします。また、1週間先となると、かなり怪しい感じがして、予想精度が
高まったと感じるのはコマめに予報を更新しているからじゃないか、とニラんでいます。半年先の予報(
季節予報)となると、
平年並み、高め、低め、という3択問題でも的中率40%程度だということですから、(2003/9/24 Asahi.com)
あてずっぽうとほとんど変わらないわけです。今度スーパーコンピュータを使って的中率を高める
と発表していました。当面5割を目指すそうです。
しかし、簡単にだまされてはいけません。スパコンで6日もかけて
計算するということですが、計算は必ず、現実を単純にモデル化した状態で実行されるわけで
、状態の初期値は観測点の数と観測する項目によって決まった精密さでしか与えることはできません。
また、モデルや、精密さの妥当性は、現実の現象との対応によってしか検証することはできません
から、本来複雑系である気象現象に対しては、簡単にはいきません。なにしろ「バタフライ効果」(注1)
というようなことがマジメに議論される世界なのですから。
夕日がきれいで西の空が晴れているから明日は晴れだろう、というのを拡張して、観測する変数の数を増やし、観測する地点をなるべく多くし、観測する周期を短くする、という
のを、やっているわけで、その限界は必ずあるわけです。
どれだけの精密さを求めるか、ということが実は本質的な問題なのです。
とはいえ、天気予報が完璧でなくても科学技術の将来を悲観することはありません。
なにしろ、やっぱり日本の夏は蒸し暑くて南風、冬は寒くて北風、これは
毎年のようにやってきます。
各要素がお互いに相互作用しているため、複雑で予測不能な振る舞いをするが、
一方で、全体としてその系を特徴づける性質がある、そのような系をシステムと呼びます。
システムについての研究は古くからされていて、本当に幅広い範囲で応用されています。
複雑系、開放系、ホメオスタシス、
自己組織化など、キーワードで調べてみてください。
私は、技術者は、このような「システム」の性質について勉強するべきだ、と思っています。
直接的には役に立ちませんけどね。
通常、技術開発においては、要素に還元する分析的手法をうまく使う必要がありますが、
その方法論を客観的に見直す意味でも重要だと思います。私自身も、
意識して勉強するようにしています。
というのが、仕事を進めるうえでの私のモットーだったのですが、今期は、複雑系のプロジェクトに
加わっているようで、どっぷり危うき泥沼にはまっています。日程は予測不能であり、ちょっとした間違いが大きな問題を引き起こす。
少し最近、ストレスがたまってきたようで、会社で飲むコーヒーの量が増えてきています。
「どうだ、コーヒーは?」
「コーヒーを飲めば、男と男としてまじめに話しをしてくれるかね?」
「話すよ。だが、ほくの意見を全部ぶちまけるわけにはいかないぜ」
(「さらば愛しき女よ」レイモンド・チャンドラー、清水俊二訳)
会議で意見を全部ぶちまけたくなっても、長い会議の中でなんとか、前へ転がそうと
ぐっとこらえ、でも、なかなか思うように進みません。まるで、大地震のように
大爆発するときが急に来るかも。
503アクセス記念で明るい話でおちゃらけようと思ったのですが、締め切りが今日30日になっている
提出物が3件ほどあったり、開発の進捗が行き詰まりを見せ、気持ちに余裕がなく、
そのうえ、北海道で地震があったり、米国では
ハリケーン「イザベル」が直撃したり(03年9月19日朝日新聞)で、ちょっとマジメになりすぎましたか。
それにしても、本当に、今日書類を仕上げることができるのだろうか。だけど、最悪の場合、来週の月曜日
でもよいはず...って、
おっと、若手社員へ一言。
締め切りと納期は必ず守らなければならないのだよ。はっはっはっはっは。ごめんごめん。
知っているでしょうけど、念のため。
北京で蝶が羽ばたいた結果の微少な気流の変化が、ニューヨークにハリケーンを引き起こすかも
しれない、という、微少な初期値の変動が予測不能な結果を引き起こす複雑系の性質を現したたとえ。
本当にそうなのだろうけど、世界に何億匹の蝶がいるかわかりませんが、細かな相互作用が
たくさんあり、
また、宇宙の中の地球という開放系のシステムも考えなければならず、また地球内部の
相互作用もきっと影響しているでしょう、さらに人間の活動も無視できなくなっった、
そのような中で起こっている気象現象のイメージには、あんまり合わないような気もします。
4コママンガ<ハムとラン> とキャラのページ (c)Shimamura,T |
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