私は新たに研修を受けることになって、10月1日〜3日(2003年)の3日間自分を見つめなおす機会を得ることができました。
できれば、自分を見つめなおす、なんてことはしたくないのですが、上司命令とあっては仕方ありません。
どんな技術者になりたいか、という問いに
口先だけでもマジメに答えなければならなかったのですが、
それよりも、小学生から大学生の間にどんな目標をもっていたか、思いつく限り書き出す、という
課題のほうがシビアでした。
小学2年のころは「博士になりたい」というでっかい夢を持っていました。
その頃のことはほとんど覚えていないのですが、なぜ、そう断言できるかというと、
担任の鈴木先生に
「そんなことじゃ、博士じゃなくてバカセになってしまいますよ」
と怒られたことをいまだに覚えているからです。あれは悲しかった。
それ以来、博士になりたい、と言うときは、半ば自暴自棄になって
言っていましたが、やはり、夢は見果てぬ夢になりました。
魔球を投げられるピッチャーになりたかったのですが、残念ながら、これも
才能の問題で見果てぬ夢になっています。他にも、電車の運転手、マンガ家、作家、ミュージシャン、
サイボーグ009など、より現実的な目標は沢山あったのですが、これらも諸事情によって、
見果てぬ夢になりました。
これらを鑑みてみると、「モテモテのスーパーヒーローになりたい」と言っているのとニアリーイコール(注1)
だと気がついたのですが、
今の自分を冷静に振り返り、詳細に分析をしてみても、「モテモテのスーパー技術者になりたい」
と真剣に考えているあたりが情けない。
与えられた課題は、それぞれの目標に対して達成か未達かベンチマークをして、達成の要因と未達の要因を考察するということだった
のですが、目標はすべて未達、要因は言わずもがな、どうせ俺はもてねぇよ、と悲しくなって夕陽に向かって
走りたくなってしまうのでした。
FM802のOSAKAN HOT 100という番組で、寸劇のシリーズものでコマーシャルを流しているのですが、
15年くらい前にやっていた「サッポロ健太」のシリーズが大変面白かったのを覚えています。
若い営業の健太が、大阪の老舗のたこ焼き屋にサッポロビールを売り込むのですが、
そこには、すでに「なにわビール」が入っていて、店の頑固なオヤジに断られ続け、
それでも毎日のように通って売り込む、という筋です。店には、きれいな娘さんがいて、
その娘にひそかに心を惹かれつつ、頑張る健太は健気で、私は毎週、楽しみに聞いてました。
ある日、健太は、店でたこ焼きを食べていました。「なぜ、
ウチのビールより、なにわビールがいいのかなぁ」と悩む健太に、店のおかみさんが、
聞きます。
「健太はん、あんた、なんでサッポロビールに入ったんや?」
「う〜ん..、大きな会社だし、福利厚生もしっかりしているし..」
「健太はん、やっぱり、あんたはただのサラリーマンや
。ウソでもええから、サッポロビールを日本一愛しているからや、と
言えんかったら、ほんまの商売人にはなれまへんなぁ」
直後にシュポッシュポッシュポッと3回、栓を抜く音がしてナレーションが
入るのですが、私もハッとしました。
単なるサラリーマンでなく技術者となるには、あるいは、単なる技術者でなく
ビジネスマンになるには、今の自分の意識を言動レベルで振り返ってみる
必要があるかもしれません。ま、会社に入ったからには
サラリーマンに徹する、というのも生き方の一つですけど。
ちなみに、セリフは記憶を頼りに書いているので、かなり違うかもしれませんが、
ちょっと調べただけでは正確にわからなかったので、その点はカンベンしてください。
意味は合っているはずです。
カルロス・サンタナの「スーパーナチュラル」を聞きながら
今回の「なんなんでしょう」を書いているのですが、
インタビューで面白いことを言っていたのを思い出したので、ちょっと本棚をひっくり返してみました。
ありました。2000年7月号の"Guitar Magazine"です。
この「スーパーナチュラル」というアルバムは全世界で2500万枚も売り上げ、
グラミー賞を9部門も獲得した名作ですが、ヒップホップ
やラップの若いボーカリストと共演して話題になっていました。甘くメローで
サスティンが利いている魂のこもった音色のギターを弾く大御所(当時51歳)のサンタナが
なんで、また、そんな全然違う分野の若手とコラボレーションをしたのか、その動機が、
「瞑想と夢で告げられた」というのです。「中学校、高校、大学の学生たちとつながりなさい。ラジオ
のオンエアを獲得しなさい」というお告げだったそうです。
「OK」と言ったよ。若い人たちが不幸、さもなければ悲惨な状況にいるような気がしてたからね
笑っちゃいけませんよ。確かに、それを実行して成し遂げたのですから。何をしなければならないか、は彼にとっては
自明なのです。それは、ぼんやりとした夢ではありません。
全然参考にならないかもしれませんが、ちょっと悩んでいる技術者向けに、いくつか引用しておきましょう。
(注2)ひょっとして、ちょっとピンとくる内容があるかも知れません。
ところで、このアルバムの中の「Love Of My Life」という曲が
ジェーン・バーキンの「Litanie en Lituanie」
とよく似ていると思ってすごく不思議だったのですが、
今回読み直してみて、「Love Of My Life」が、ブラームスの「協奏曲No.2」を下敷きにしているということが
このインタビュー記事で判りました。ちょっとした発見です。もしかしたら、Jane Birkinの曲もそうなのかも知れません。
今度ブラームスの曲を聞いてみよう。
サッポロ健太の最終回は、健太が東京に転勤になり、そのたこ焼き屋にあいさつに行く場面です。
「結局、サッポロビールは入れていただけませんでしたけど、
オヤジさんとおカミさんには、沢山の勉強をさせてもらいました。ありがとうございました」
と、挨拶をして出て行くのでした。
健太が出て行った後、
おカミさんが、「頑張りやの健太はんがいなくなると、さみしくなりますね」とぼそっと言うと、
頑固オヤジが
「今日から、うちはサッポロをとる」
とぶっきらぼうに宣言して終わるのです。なんとも感動的なラストでは
ありませんか。
それにしても、気になるのは、あの娘さんと健太のロマンスは実ったのだろうか?営業は、転勤、転勤で
大変だぞ。(注3)
重量上げの世界記録を六十数回、塗り替えたソヴィエトのワシリー・アレクセイエフは言ったそうです。 「人間というものは自分の望むとおり、強くなることができるのだ」と。(山際淳司「エンドレス・サマー」角川文庫) 思わず信じたくなる魅力的な言葉ですよね。 ところで、ハムによれば、ランちゃんの夢は
でっかいゴールデンレトリバーになる
ことだそうです。そりゃ、無理だ。
さて、ページ「ランの写真館」をオープンしました。こちらも、見てくださいね。
4コママンガ<ハムとラン> とキャラのページ (c)Shimamura,T |
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hardy@max.hi-ho.ne.jp |
技術用語。大体等しいの意味。それほど合っているように見えない場合でも使うことが あります。言い切ればあまり問題にされません。
心から何かをやっているなら、誰もが重要な存在だよ。
・・・
みんな僕に言ったよ。「学校をやめたらそのあとどうするの?」ってね。
僕は、「マイケル・ブルームフィールドやB.B.キングと一緒にプレイするのさ」って言ったけど、
みんなには気が狂っていると思われた!
「なんで笑っているの?」って聞いたら「お前、トリップしてるよ」
って言われてね。「違うよ、それは君の方さ。自分がやりたいことが見つけられないからトリップしてるんだ。
僕は自分のやりたいことがわかっている。それを誰と一緒にやればいいのかもわかっている。
僕は、さっき言った人たちと一緒にプレイするのさ。」
ひとたび、自分の存在の重要さに気がつけば、帆に風が吹いてくるものさ。
・・・
もし、君が、世界は君の才能を正しく評価していないと思い始めたら、君はその時から自分で自分を
犠牲者にしたててしまっている。
・・・
人は年をとるにつれて無責任な人になるか、思慮深く快活な人になるかのどちらかだ
・・・
無責任な人になってしまうのは、世の中が君を抑圧していると思ってしまった時や、まわりのみんなが君の
邪魔になっていると思ったりした時だ。
そして思慮深い快活な人になれるのは、君が部屋に入っていくことで喜んでくれる誰かがいると気づいた時なのさ。
・・・
怖がらない術を身につけ、敬意を持ち、自分の居場所を見つけることだ・・自分が他者を補えるような位置をね。
・・・
だから、君が「もうギターなんかやめて皿洗いでもやった方がいいのかな」なんて思ったときは君の
もうひとつの側面から聞こえる声に耳を澄ませるんだ。「いや、君だって世界が必要とする何かを持っている」
ってね。
その後いったいどうなっていくんだろう、とよく夢想してしまいます。当然、そのヒーローになりきった気分で。