の書類を前にして、格闘していたこの一週間だったのですが、ついに、
31日の午後5時ちょうど、仕上げることができました。
なにせ、苦労しました。通常の業務になんとかきりをつけてから、22時すぎ、書類を
目の前に広げます。じっと睨むこと数分、「書く気がおきないなぁ」とたたみます。
30日しめきりの別の帳票のほうが重要だよな、と考え直し、別の帳票を目の前に広げます。
じっと睨むこと数分、「書く気がしないなぁ」とまた二つに折って、しまいます。
「やっぱり、あのデータの整理をしないといけないよな、うん、こっちのほうが優先だ」
しばらく、データ整理をし、23時すぎ、書類を再度、目の前に広げます。
じっと睨むこと数分、
「なかなか、書けんなぁ....。ま、今日はこのくらいでカンベンしといたろか」
という壮絶な戦いを毎日繰り広げ、31日になって、目をつぶってエイヤっと書き上げたのです。
提出先が私のいる研究所の2階の品質管理部門だったので、階段を走って降りて提出に行きました。
Hチームリーダ−に紙を振りながら、「遅くなって申し訳ありません、持ってきました」
すると、Hさんは、はにかみ笑いを浮かべながら頭をかきかき
「あれぇ、今日提出だ、って言ってたっけ。他の人も
送ってきてくれてるんだよなぁ...。本当は来週でよかったんだけど、そんなに息せき切って
申し訳ないなぁ。もごもごもご。はははは...」
「・・・・・・」
29日、30日と、山梨県や、長野県や北海道などで、
オーロラが観測されたそうです。
朝日新聞の一面にカラー写真で載っていたので知っている人も多いことでしょう。
オーロラは、地球に入射する荷電粒子、主に電子によって引き起こされます。地球の夜の側は地磁気が
太陽風に吹き流されるように、ちょうど彗星の尾のように伸びているそうで、その中に、
プラズマシートという高エネルギーのプラズマが閉じ込められている領域があるらしい。そこから、地磁気に沿って
地球に高いエネルギーの荷電粒子が飛び込んでくるのです。南極と北極に地磁気が集まりますから、
主に高緯度地方の上空に降り注ぐことになります。電子は大気の分子を励起して発光させる、これがオーロラ
として見えるのです。入射する電子の運動エネルギーは100eVから10keVくらいまで、エネルギーに応じて
色が変わります。当然、小さいほうが赤、大きくなるにしたがって青くなります。
ちなみに、オーロラの高さは地上から100km〜600kmくらいだそうで、スペースシャトルの高さ(約400km)
とほぼ同じです。
詳しい解説は
オーロラと低緯度オーロラの解説(名古屋大学太陽地球環境研究所・塩川和夫助教授)を見てください。
わかりやすいし、参考文献ものっています。
かなりオーロラが観測されるようで、目に見えない程度の明るさのものを含めれば年に3
〜4回ほども発生するようです。低緯度でオーロラが観測されるのは磁気嵐によるものだ、
というのは聞いた覚えがありました。磁気嵐って漢字を見ると分かっているような
気もしたのですが、改めて調べてみました。
太陽面でフレアと呼ばれる爆発が発生すると、太陽風が強まって、地球の磁気圏を大きく乱す
現象のようです。
通信や、電子機器に影響を与えることもあり、1989年には北米の一部に
停電を引き起こしたこともあるようです。今回のフレアは、その1989年の大規模なフレアよりも
規模が大きく、過去30年間で最大の可能性もあるということで、少し驚きました。調べてみる
もんですね。
(関連記事)
NASAのホームページでも
Solar One-Two Punchというタイトルでフレアに関する記事を載せています。
それから、ちゃんと、SpaceWeather.comというのがあって
太陽の様子、磁気嵐の予測をデイリィ(注1)で詳しく知らせてくれます。オーロラの美しい写真も沢山
載っています。
なお、低緯度のオーロラは、磁気圏の形が変わることで、
プラズマシートが地球に近付き、低緯度で地球大気圏と交わる磁力線に沿って、荷電粒子が
入射することで、引き起こされるということだそうです。私は、磁気嵐によって地磁気が乱され、
極方向から荷電粒子が輸送されてくるのか、と想像していたので、大分、イメージが異なってました。
って、見てみたいですよね。日本からオーロラ観光に行く人はとても多いようで、ツアーも
相当数くまれているようです。一人20万円くらいの予算のようですから、この文章を読んでいる
人でも見たことがある人もいるのでは?
私のような真空プロセスを扱うプロセス技術者は、発光するプラズマは、真空チャンバーの覗き窓から
見慣れたもので、毎日オーロラを見ているようなものだ、と言えなくもないのですが、
普段、空高くカーテンのようにゆらめくオーロラを想像しながら仕事をしている人はほとんどいない
でしょう。私は、海外へ行きたい、というと東南アジアや、中近東、地中海周辺、あるいは、アフリカ
などのことを考えてしまうのですが、今回、いろいろ調べてみて、極地にも行ってみたいと思うようになりました。
開発した商品を新聞発表する原稿を書いたとき、一般にわかるように平易にしようと考え、専門用語をなるべく使わずに
書きました。それをチェックした上司は、「スパッタ装置についてもう少し説明する必要があるよ、それが
、この製品のキー技術なんだから。プラズマ制御のことについて記述が欲しいな。」
「でも、一般の人にはプラズマなんて、馴染みがないし、わかりませんよ。」
「そんなことはないよ。だって、蛍光灯の中だってプラズマなんだから。」
そりゃ、ちょっと強引な論理だ。
さっそく家内に聞いてみましたけど、やはり、言葉だけ知っている、ということで、
蛍光灯の中がプラズマだなんて知りませんでした。子供も
言葉は知っていたようで、「プラズマイオンっていうんやろ」と聞き返してきました。
「プラズマイオン大○快」ってサザエさんのコマーシャルでやっているからですね。
なお、プラズマの定義については、下記、注2を参照。
たしかに、○芝のホームページで見てみると、「プラズマ(電離)空間」なんて言葉も 使われているし、平易に書くより、イメージを喚起するように書くほうが大事なの かもしれません。
少々、電離したくらいでプラズマと言うな
と、言いたいところですが、文章はなかなか難しい。
最近は結構暑いですよね。朝晩の冷え込みが厳しくなってきたので、ストーブを出したとたんに
、気温が上がってしまいました。今年の紅葉はちょっと期待薄かな?
4コママンガ<ハムとラン> とキャラのページ (c)Shimamura,T |
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技術用語。開発が遅れ、上からの追求が厳しくなると、デイリィで詳細な日程を立てろ、と言われます。
多くの場合、それまでのおおまかな日程(ガントチャート)に日付が入るだけです。
私はスケジュール管理や、詳細な日程表を作成する、といったことが好きなので、言われるまでもなく
詳細日程はすでに作っています。
そういえば、以前、詳細日程を見せろ、と言われたので印刷して見せたら
、細かすぎる、と言われました。
最近ではアワリィで日程をたてろ、とまで言われたことがあります。確かに重要だとは思うのですが、
予測精度が±1週間だったら意味ないですよね。姿勢の問題です。ってそんなこと
を言っているからいけないんです、アワリィの日程を立てて真剣にとりくまなきゃだめだよ、はっはっは...。
「プラズマは一種の流体(気体または液体)である。プラズマ内には流体のふるまいにかなり影響を及ぼすに十分なほど
、多数の荷電粒子(イオンと自由電子)が存在する。”プラズマ(plasma)”という用語は、Langmuirの発案である。」
なお、プラズマの主要な性質は、次のとおり。
「自由に運動している荷電粒子のために、プラズマはきわめて良い導体である。その結果、強大な電流が存在し、磁気相互作用(magnetic interaction)が重要である。また外磁場が存在することも多い。電離層の場合の地球磁場がその例である。したがって、ゆるやかなプラズマの運動は、磁場との相互作用を記述する項が付け加わった流体力学の方程式、いわゆる電磁流体力学の方程式・・・」
カンペン・フェルダーホフ著(西田稔訳)「プラズマ物理学」((株)紀伊国屋書店、1973年)よりp.1〜p.2から抜粋。
なお、荷電粒子を漢字変換すると家電粒子になることがあります。