パパーノなんなんでしょう

No.28
2004/ 1/12

Because something is happening here
But you don't know what it is
Do you, Mr. Jones?
(Bob Dylan, "Ballad of a Thin Man")

今回のなんなんでしょうは、
伝説のプレーヤー
です。


年明けは静かに始まる

(1)2004年の仕事はじめは

みなさん、どうでしたか?滑り出しは上々だ、という人もいれば、年末の頑張りを 無駄にするような思わぬミスを発見したりして、年明け早々、必死のパンツ、いや 必死のパッチで青い顔で 仕事をしている人もいたことでしょう。
昔は、初日は、朝礼だけで仕事はなしで、酒もちょっと出たような覚えがある (いやそんなことはなかったかな?)のですが、いつのころからか、 すぐに仕事をスタートということになりました。
そうはいっても、5,6日とも、休みをとる人が多く、普段より人が少ないうえ、 いつも遅くまで残っている人も結構早く帰っていたようで、気がつくと一人残されている 毎日でした。私も、もう少し効率よく仕事をしたかったのですが、年がかわっても、 人間がまったく変わっていないことが実証され、さらに、年がかわっても、 技術課題が自然に解決されている様子がなかったので、仕方ありません。
年明け第1週目は、目をむくようなエピソードもなく、静かに始まりました。

(2)野球選手も

自主トレで、2月1日のキャンプインに向けて始動しています。巨人の工藤投手も去年成績が悪かっただけに 正念場でしょう。200勝まであと9勝ということで頑張ってほしいものです。あの大きく割れるカーブは、 魅力的です。なんで巨人に入ったんでしょうねぇ。そういえば、ローズも結局巨人入り、昔、加藤英司が 近鉄からトレードで移籍し、活躍らしい活躍もできずに、広島へ移ったことも思い出されます。各チーム から有力選手を引き抜いて、保有しておく、というのも、リッパな戦略といえば戦略です。使えれば当然 チームが強くなるし、たとえ、問題があって使えなくても、他球団を相対的に弱い状態に保つことができる わけですから、どちらにしても、金額に見合ったリターンがある、ということなのでしょう。
プロ野球にドラマを見たい、夢を見たいと思う私は、いつも、有力選手が巨人に移籍すると聞くと、 少しガッカリするのです。なぜ、ってやっぱり巨人は自分のとこの生え抜きの選手を 優遇するし、「たとえ、こいつが活躍できなくても、また、他所からいい選手をとってくればいいや、 どうせ、金と巨人のユニフォームと大勢のファンの魅力からは逃れられないのさ」、という 球団の戦略は、どう考えても移籍してきた選手がのびのびと活躍できる環境ではない、 と思うからです。
選手はもっと条件のよいチームにどんどん移籍する権利があるし、そうすることで、 プロ野球の魅力が新鮮になる、と思うのですが、なかなかそうはいかないようです。 ダイエーなんかも大変そうだし、ってそういえば小久保も巨人に移籍しましたね、トップの わけがわからない一言で選手のやる気がそがれるなんて、昨年、巨人でも阪神でもそんな話はありましたけど、 サラリーマンに日常茶飯事のそんな内容ばっかりで 全然面白くありません。

(3)そういえば

仰木彬氏が野球殿堂入りしました。近鉄監督時代に野茂を育て、オリックス監督時代に、イチローを育てた 名将です。知的で、ものごしが柔らかく、ダンディで、ほんと、格好いい人ですよね。 登録名をイチローにしたのは、この人のアイディアです。変則なフォームをあえて直さず、 選手の持ち味を生かして数々の成功を修めました。管理職、あるいは、管理職を志している人、 あるいは、やむなく管理職をしている人は、 仰木のツメの垢を煎じて飲め、と言いたい。
「自分自身のことが、人には当てはまらないこともある。個性を磨いてやって 欲しい」(2004年1月10日、朝日新聞「ひと」)
ということで、ビジネスマンに向けた本がきっとあるだろう、と思って、 さっそくAmazonで調べてみたら ダイヤモンド社の本( 仰木彬「人材育成の黄金律」―出てくる芽を摘むな! 太田 真一 (著)) を含めて5冊ありました。 「勝てるには理由(わけ)がある」を注文しちゃいました。 自分自身のためになるかどうかは、結局のところ自分しだい、 いくら本を読んでも、学んで実行しないと意味ないですよね。でも、若手への説教に使えるはず。 ってわれながらイヤなことを考えるなぁ。
でも、「通常4〜6週間 で発送」とあるので、在庫切れじゃないかな、多分、入手できそうにないです。

(4)殿堂入りした人の

一覧を見ていたら、「大杉勝男」の名が目にとまり、思わず、涙をこぼしそうになりました。 「あの月に向かって打て」というコーチの一言で打撃開眼したエピソードはあまりに有名です。 外人選手(ボレス)とのクロスプレーで相手のラフプレーに怒った大杉がパンチ一発、 巨漢のボレスをKOしたこともあるそうです。 そのときの審判は、「大杉のパンチが速過ぎて見えなかった」と言って、お咎めなし。 ヤクルト時代の1978年の日本シリーズ で大杉のホームランがファールではないかともめたことがありました。阪急ブレーブス(現オリックスブルーウエーブ)の上田監督が1時間19分の猛抗議、結局、ホームランになったのですが、 次の打席で文句なしのホームランを打つところがこの人らしい。
両方のリーグでそれぞれ1000本安打は大杉だけの大記録です。両リーグ200本塁打まであと一本というところで 不整脈のために引退しました。引退の言葉が、
「去りし夢神宮の杜にかすみ草」
念のため、解説すると、かすみ草は、 「王、長嶋がひまわりなら、わしは月見草や」という野村克也の引退の言葉にひっかけています。神宮は ヤクルトスワローズの本拠地神宮球場、去りし夢はあと一本のホームランのことです。

(5)大杉は

バッターボックスでブツブツ言うことでも有名でした。野村克也が現役時代、ツブヤキ作戦、というの をやったらしいのですが、打者の嫌がることをブツブツ言って打者の集中力を乱すというヤツで、 大杉の独り言はそれとは、少し趣がことなります。実況中継なんだって。
「バッター、大杉打席に入りました。さぁ、初球から狙ってくるでしょうか」
「ストライク、初球のカーブには手を出しませんでした、ストレートを狙っていたんでしょうか」
など、で、キャッチャーが、なんだコイツと思っていると、狙いすましたように3球目あたりの カーブをホームランして、ホームインしても、まだブツブツ言っている。
「大杉、ホームイン、見事なホームランでした。」
なんて、こう書く(注1)と暗い人のように思うかもしれませんが、ホームランを打ったときに観客に両手で 投げキッスをするというスマートでユーモアあふれる、知的でしかも豪快な人でした。 引退後、しばらく野球解説者をしていたのですが、 心理面とテクニカルな面と分析が深く、明るい語り口でよかったです。

1992年4月末に病気で亡くなっています。

家族に真心のこもった日記を残したのですが、そのあたりのエピソードが何年か前に テレビで放送されていました。いつの、どのテレビ局の番組だったか、覚えていないのですが、 是非、再放送をお願いしたいものです。


メジャーリーグでは、石井がドジャースタジアムで、球団の合同自主トレに参加したということで、 彼の国でも自主トレってあったのか、と初めて知って少し驚きました。 球団の、ということは、どこが自主トレなのか、まるで、

休日に設定された発表練習と同じ

じゃないですか。アメリカでもそんなことをしていたとは。
ニューヨークメッツの松井稼頭央は、西武球場で自主トレ開始、 いったい、どんな活躍をするか楽しみです。ボールも土も芝も日米で違うし、内野は運動量が外野と違うでしょうから、160試合の長丁場に耐えられるか、も課題でしょう。
スーツ姿で盗塁を決めるコマーシャルを昔やっていましたね。 あんなイメージでスマートに決めて欲しいものです。


4コママンガ<ハムとラン> とキャラのページ
(c)Shimamura,T
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注1)正確に

書こうと思って資料を探したのですが、みつかりませんでした。意味は間違いないと思うのですが、 「3球目あたりのカーブ」というような詳細はほぼ確実に誤っている、と思います。 ゆるしてください、伝説だから...。

プロ野球選手のエピソードは

近藤唯之の本が好きでよく読みました。文春文庫や新潮文庫などでかなりの数出版されています。 プロフェッショナルとは何かサラリーマン必読。