東京に出張で行きました。前に開発していた製品は、協力先もお客様も東京近辺が多かった
ので、しょっちゅう東京へ行っていたのですが、今、かかわっている製品は、すでに
営業の体制は整っているし、東京近辺に密接な協力先があるわけでもないので、久しぶり
の出張です。
私は東京のすぐ隣、タマちゃん(
注1)で有名な多摩川のすぐ近く、川崎市の出身で、
遠くに聞こえる新幹線が橋を渡る車輪の音を子守唄に育ちました。
中学高校と一環教育
の
私の出身校は渋谷のすぐ近くにあって放課後は何をするわけでもなく、渋谷の町をぶらついて、
マンガの立ち読みばかりしていたし、秋葉原に毎週のように出かけては、
Z80ACPUや特売の4116、貴重品だった74LS245(注2)や
、突入電流などまったく考えずにジャンク品を漁ってラグ端子の50V22000uF電解コンデンサ
など、買って喜んでいましたし、大学浪人したときは、御茶ノ水の駿台に通っていたので、
東京に関してはいささか詳しいつもりでいるのです。
ですから、近くの席の同僚が、大きな声で、品川で降りたほうがトクか東京駅で降りたほうが
トクか、品川駅では無線LANがどうとかこうとか、話しているのを聞くと、
口を挟みたくなるを、じっとこらえるのが大変で、なにしろ、
意外と地元のことって知らないでいることも多いですから、中途半端に口を挟むと
かえって恥をかくこともありますからね、なかなか精神修養になります。(注3)
仕事のあと、東京駅で同級生と待ち合わせをして、一杯飲んでから、
帰りました。たいした話をしたわけでもなく、昔と同じよう会話をして、
でも、なんとなくほっとして元気づけられて帰ってきました。
なんでもあります。風呂以外は。そのうち風呂もできるかもね。実際、温泉のある駅も
あることだし。
上野駅構内もちょっとした町になっていますが、品川駅もなかなかのものです。
品川駅の構内にも回る寿司があって、東京駅の回る寿司と同じチェーン店らしいのですが、
他にもカフェバー、薩摩料理の居酒屋、喫茶店、ベーカリー、本屋、CDショップとあります。
JR品川駅の構内には立ち食いそばが2軒ある(注4)のですが、去年、どちらかで、冷やしカレーウドンなる
メニュ−があったと聞いていて(東京新聞 2003/6/23)、しかし、食べそびれていました。もう6月だし出ている
かもしれない、と思って探してみたのですが、残念ながら見つかりませんでした。
私は何を隠そう、立ち食いそばのマニアなのですが、東京方面に出張のときは、
かならず一食は立ち食いそばで済ますことにしています。今は、マニアの道を究める目的ではなく、
ただ、単に、ノスタルジーで食べるだけなのですが、実際、関西の立ち食いそばは東京ほど
のバリエーションがないので、寂しい思いをしているのは確かなのです。
これまでで一番面白かった店は、渋谷のハチ公前のスクランブル交差点北東角、三千里薬品のとなりにあった
小さい店で、エビ天、アジ天、イカ天、それぞれ「上」と2種類あり、さらに、かき揚げ、春菊天、
ウインナー天、さつま揚げ天と天ぷらだけでもたくさんの種類がありました。ウインナー天は
なかなかの傑作で、赤いウインナーを天ぷらにしてあるのです。(注5)
また、大阪の人には信じられないかもしれませんが、コロッケうどんというのも、
東京ではポピュラーで、私が小学生のころから、標準メニューとしてありました。
なに、コロッケが突っ込んであるだけなんですけどね。美味しいんですよ、これが。
最近、京阪京橋駅の立ち食いそば「秀吉」でラインアップしたようで、
ようやっと、大阪の民度も上がってきたかと思ったところです。
そういえば、地方の立ち食いで印象に残っているのは、数年前に出張で行った四国は松山
で食べた「じゃこ天うどん」です。
じゃこ天、美味いですね。
おっと、こんな話をするつもりはなかった。
B級グルメどころか、C級にもならない、こんな味に凝って得意になっていると、
「近江かね安」の社長さんにはあきれられてしまいそうだなぁ。
車窓から流れる景色を見ていると、田んぼにはほとんど水が張られていて、田植えが終了して、
まだまだ、か細い稲の苗の緑が規則正しく並んでいました。
実は、私の出身中学では、
米づくりの実習がありました。緑色で冴えないデザインの体操服に身を包み、
田植えをしたことがあります。東京の渋谷の近くで田んぼなんかあるのか、と言われる
かもしれませんが、東京近郊は意外に緑が多いのですよ。
大学入試センターのすぐ外側の敷地、東大の駒場キャンパスのすぐ
近くにあります(注6)。
夏も終わると、収穫です。カマで刈り取ったのですが、特に感慨があったわけでもなく、
適当にすまして、さっさと校舎へ戻りました。
そのとき、学校内の農園で夏みかんが沢山なっていたので、一個もぎ取って物理実験室で
食べてみました。ものすごく渋く、すっぱくて、とても、食べれたものではありませんでした。
勉強の出来が悪く、スポーツもダメで、ギターは好きで弾いていたけど、
人前でするには恥ずかしいレベルで、社交性に難があったため、バンドも組むこともなく、
面白い会話ができるわけでなく、
何者かになれるはずだ、と、とてつもなく非現実な夢を見ながら、
それなのに、なにかに向かって努力するわけでもなく、
ただ、ダラダラと毎日が過ぎていたのです。
梅雨の日のような曇り空と、コンクリートの校舎、雨あがりの木々の緑、薄暗い人気のない
教室と、渋谷の雑踏、そして、あのたまらない焦燥感。
新幹線の中では、ほとんど寝ていましたが、新横浜より手前で目が覚めてきました。
そのうち、日吉の慶応大学の下をくぐり、多摩川を渡ります。起伏のはげしい
地面にはりつくようにごちゃごちゃと並んで建っている家並みを、
そんなことを思い出しながら、ぼんやりと眺めているうちに、品川に着き、そして、
東京駅に到着します。
そんな私の思い出をよそに、東京はどんどん変わっていきます。だから、東京へ行くのは
いつも楽しみなのです。
私もあのころとは、少しは変わったかな。
後輩社員から
「車は好きなので、ドライブにでも
行きたかったのだけど、行楽地はどこも混んでいるし、連休中は結局どこにも行かなかった」
というメールをもらいました。「東京へ行ったらよかったのに」と返事をしておいたのですが、
もし、夏休み、ラッシュや渋滞がいやで、でもどこかへ行きたいな、海外に行くほどお金も
ないしなぁ、と思っている人は、どうでしょう、東京に行ってみてください。
そんなときは東京はガラガラです。ホテルも割引しているところもあるらしいし、
この際高級ホテルに泊まってみてはいかがですか?下手なリゾートへ行くよりもいいかも。
六本木ヒルズやお台場周辺の人気スポットも空いていることでしょう。東京タワーも
いいですよ。
私はつい一昨年に初めて東京タワーに行ったのです。ハムを連れて私の実家に
行ったときに、おじいちゃん、おばあちゃんの発案で行くことになったのです。
私だけでなく、両親も初めてで、地下鉄の駅の売店で地図を買って場所を確かめなければ
なりませんでした。下の展望台だけでなく、だいぶ並んでエレベータに乗りこんで、
最上階の展望台に上がってみました。エレベータをおりるとき、ふと、足元を
見ると、エレベータと床の間に少し隙間があって、
はるか下のコンクリートが見えます。少し足が震えました。
窓ガラスまで駆け寄り、外を見てみます。
ハムが一言、
「なんだ、下で見たのと一緒じゃん。」
そりゃそうだ。見ているものは一緒だからね、見晴らしがいいだけだよ。
東京での観光は、是非、地下鉄で移動してください。面白いですよ。
武道館の周辺や、日比谷公園周辺なども悪くありません。神田の古本や、
御茶ノ水から東大へ、秋葉原の電気街や、新宿や上野の雑踏、
表参道から原宿、銀座や有楽町なんかも悪くありません。
私の小さいころからのお気に入りのスポットは
国立科学博物館です。
恐竜の化石は圧巻です。交通博物館も大好きでした。
鉄道が好きな人はもとより、
飛行機なんかも展示してあるし楽しめますよ。
深夜11時すぎに人気のない京都は七条通りの橋を渡っていると、
ついさっきまで東京にいたのに、ものすごく不思議な気持ちがします。
もう、6月ですよね。湿度が高く、鬱陶しい天気が続きます。わが研究棟のクリーンルームの
一部は湿度のコントロールが上手く効きません。ひどいときには80%もの相対湿度になり、
湿度に敏感なプロセスを開発をしているときには、ものすごく腹がたつときがあります。
先日、久しぶりにクリーンルームに入りました。その前に入ったときには、
3月でしたが、若手の同僚に出くわしてしまいました。
「あれ、パパーノさん、クリーンルームでみかけるの、珍しいですね。」
「そうだな、昔は根城にしていたけど、最近、全然入ってないからな。で、何をしに来たと
思う?」
「う〜ん、わかりません。」
「メガネを洗いに来たのさ。」
発煙硝酸を使って、ある製品のエポキシ樹脂を溶かしながら、並行して、メガネを洗いました。
エキストランMA01(
プレゼントキャンペーンをしているらしいですよ)で超音波をかけ、
リンスを十分に時間をかけて、窒素ブローでピカピカになります。
なるべくブローする向きが一定になるように乾燥するのがコツといえばコツです。
仕事の効率を上げて、休みをちゃんととる、とか、毎日20時には会社を出る
、とか、決心だけは毎年よりも固い決心のはずなのですが、
こんなことをしているようでは、まだまだです。もうすぐ、上期も半分すぎてしまいます。来月、
ボーナスが出て、昇格候補試験の案内がきて、すぐに夏休み、
戦略会議やらなにやらしているうちに上期のまとめと帳尻あわせのラストスパート
、下期の計画やらなにやらしていると、すぐに来年度の計画の話になり、
事業計画だの予算や人のとりあいだの、しているうちにすぐに年末です。
年々、時間が経つのが早くなっていきます。年のせいだけではないと思うのですが。
東京はいつでも工事中。私の事業計画もいつも工事中。
そんなペースについていけるだろうか?
いや、このコラムの更新のことだけどさ。
今回は、ソバアレルギーの方には申し訳ない内容になりました。すみません。
立ち食いの店はウドンもソバと同じ湯でゆがくことがほとんどなので、
ウドンなら大丈夫、というわけでもないのですよね。
さて、それにしても、この夏休みはどこにも行けないだろうなぁ。ハムも勉強が大変だし、私も忙しいに
きまっているしなぁ。
カラオケへ行ってTOKIOでも歌おう
ん?沢田研二のヤツね。でも、アンビシャス・ジャパンもよさそう。
ところで、最近、ハムの4コマや、ランの写真など、アップするペースがかなり落ちているのは、
サーバの容量が足りなくなってきたからなのです。もう、あと500kバイトを切りました。
どうしようか、レンタルサーバを物色していたところ、
ナイスガイの後輩社員が、「なんでblog始めないんですか〜」とメールをくれたので、試してみました。
これによって、30MBも容量が増えたことになります。
そんなわけで、ランの写真館別館を作りました。ランちゃんファンはこちらも見てください。
書き込みもできます。トラックバックもできます。どうぞ、よろしく。
4コママンガ<ハムとラン> とキャラのページ (c)Shimamura,T |
![]() |
![]() |
![]() |
hardy@max.hi-ho.ne.jp |
注1)あれほどの騒ぎ
も今は昔、もう、すっかり忘れている人もいるかもしれません。
「ハム、タマちゃん覚えている?」
「学研教室にいた猫のタマちゃん?」
「いやアザラシ。」
「あぁ。・・憶えてるよ。」
いまごろ、どうしているのだろう、と思い調べたら、荒川でウナギを食べ過ぎて
太っているとか。2004年4月12日以来、目撃されていないらしいですよ。少し心配ですね。
参考資料:タマちゃんだより
注2)Z80A
というのは8bitCPUのベストセラー品です。世界最初のマイクロプロセッサの4004,
8008そして8080を開発した嶋正利氏が、インテルを脱サラして設立したZilog社で
開発した製品です。Zilogは16bitCPUの開発で失敗し、順調に32bitへ開発を進めた
インテルに負けてしまったのですが、あのころの私達は、64kバイトのメモリ空間と
8ビット幅のデータで、それでも、でかい電源がうなりをあげる、そんなマイコンを
作っていたのです。4116とは、16kbitのDRAMでそれでも当時1000円ほどしたものです。
8個並べてようやく16kバイトですから。当時のスタンダートは4kbitのSRAMを32個並べて
やっと16kバイトだったので、それでも、かなりの先進部品だったのです。
参考資料:「マイクロコンピュータの誕生・わが青春の4004」
(嶋正利、岩波書店、1987)
この本は名著です。技術者必読!
注3)先日
ドイツに一緒に出張に行った、すばらしい私の戦友、S君は、数年前に私と席 を並べていたことがあります。あんまり私がくだらないことばかり、言っていたので、 「集中、集中」と時折つぶやいていました。そのころの私の上司がS君に 「あの席でうるさくないか?仕事やりにくくないか?」と訊いたことがあるそうですが、 即座に「精神修養になります。」と答えたそうです。
注4)京浜急行の
ホームにも1軒あるので、品川には、あわせて3軒立ち食いそばがあるだと思います。ひょっとすると、 他にもあるかもしれません。京浜急行のホームには「東京スープストック」というスープの専門店もあり、 ここもなかなか魅力的です。今度、食べてみよう。
注5)この間、銀座
で食事しました。
「え?何食べたの?」
「立ち食いソバ」
銀座から有楽町までブラブラしていたら、立ち食いそばがあって、メニューにウインナー天があるのを見て
びっくりしました。渋谷の三千里薬局の横の店はもうつぶれてしまって、ないのですが、
移転したんでしょうか。それとも、前からのチェーン店だったのでしょうか。
思わず入ってしまったのですが、なぜか、春菊天そばを頼んでしまいました。
春菊天、というのも東京では昔からあって、ポピュラーですが、大阪ではまったくみかけません。
細かく刻んだ春菊をかき揚げにしたものです。ほとんど衣だけの丸いかき揚げがあるでしょう、
どん兵衛にはいっているような、あれに、春菊の細かく刻んだのが、まばらにはいっている
そんな感じです。
注6)そういえば、
駒場東大前駅の改札を出たすぐのところに、
満留賀(まるが)というソバ屋があって、昔は300円くらいで、盛りそばを食べることができ、
しかも、大盛りにするととてつもなく量が多く、30分で3杯食べるとタダになる、と
誰もトライする気になれないせいか、古びて陽にやけた紙がはってあって、とにかく、長い
そばなので、食べるには大変苦労する、一部には大変有名な店でした。
少し薄暗い小さな食堂、といった趣だったのですが、だいぶ前に、3階たての
明るいきれいな建物に立て替えていました。
ちょっと調べてみたのですが、今でも大盛券100円をプラスすれば、洗面器一杯ほどのうどん・そば
が食べられるそうです。
参考資料:
いっしーの胃袋
学生のための駒場商店マップ