少年時代からの持病の喘息の調子が思わしくなく、余命いくばくもない私(注1)ですが、
11月29日の午前中に病院へ行って、発作どめの薬をもらってきました。このページの
読者の方のなかでも喘息患者の方、あるいは、お子さんが喘息患者の方も結構いらっしゃるか
と思います。成長するにしたがって治る人が多い−中学にあがる前にいつの間にか
治ることが多い−ようですが、
まれに私のように心が少年のように純粋のままだと、いつまでたっても治りません。
また、大人になってから、極度のストレスによって急にひどい風邪や肺炎になって、
それがきっかけで慢性的な喘息になる場合や、高齢になって体力が低下して
喘息がおこる場合もあるようです。
ここのところ、何かにつけて健康や病気に関する話題の多い、このコラムですが、
実際、健康って大事だなと、つくづく思います。健康の秘訣は毎日適度のアルコールをたしなみ、
遅寝早起き、そしてたまに会社で徹夜する、そんなところでしょうか。
みなさんも常に自分を客観的に診断しながら健康の管理につとめましょう。
1月〜3ヶ月に一度必ず京大の胸部疾患研究所へ診察を受けに行っていました。火曜日
しかなかったのでその日は会社を休んで行っていたのですが、誰も気がつかなかったようです。
喘息は発作のときは呼吸が苦しく、音をたてて呼吸をする姿は傍目にもひどい
状態なのですが、発作のとき以外は、まったく普通と変わらないので誰にもわかりません。
この何年か、状態がずっとよかったので、病院から足が遠のいていたのですが、
この9月以来、少し具合が悪くなってきました。11月末はちょっと悪い状態が続いていたので、
しかも発作止めの薬もなくなってきたので、久しぶりに京大病院へ行ってきました。
最近、改装して、ものすごくきれいな建物になっていてビックリします。
2階の屋根の高さまで吹き抜けのエントランスホールはやたら広く、バブリーな都心のビルの
エントランスのようです。外来の病棟の中央が天井までの吹き抜けになっていて、その周囲に
各科の外来があります。
呼び出し用のPHSは、大きめの液晶画面がついていて、予約時間や順番とともに「病院内でお待ちください」
というメッセージが表示されています。予約時間は9時30分、ということになっています。
このシステムはなかなかすばらしく、順番がくると、呼び出し音とともに、「中待合でお待ちください」、「診察室へお入りください」という具合にメッセージが出てくるので、
ジーっといつ来るかもわからない順番を待って待合室にいなくてもいいようになっているのです。朝一番から行って順番が早かったせいもあると思うのですが、予約時間より20〜30分遅れ程度で
済み、血液検査で40分ほど待たされたものの、X線も含めて昼までに余裕で終わりました。
昇格候補試験の日にあたっていました。朝一番から発表15分と質疑応答、そして面談の予定です。
月曜日の朝、6時に目覚ましが鳴り、病院へ行こうか行くまいか、悩みました。
なにしろ、次の日の準備のことを考えると、会社へ行かないとマズそうです。
火曜日の当日はさすがに病院へ行けません。水、木は呼吸器の外来の診察はありません。金曜日ははずせない
会議と、チームの忘年会があります。しかも、試験のあと、提出期限が水曜日の論文を
仕上げなければなりません。しかし、これは絶対ムリです。と、いうことは、締め切りを
伸ばしてもらったとして、次の週の月曜日までは論文にかかりきりにならなければならない、
ということは、少なくとも発作止めの薬はもらわなければなりません。
そのうえ、土曜日の晩には傷ついた心を癒すための約束も入っています。
しかし、月曜日に突発で休む、あるいは午後出社、というのはコケンにかかわるしなぁ。
10分ごとに目を覚まし、布団の中で、状況分析を詳細に行い、
考えられるすべてのリスクの抽出と、意思決定分析を系統的に行った結果、
午前中に病院へ行き午後から会社へ行く、と7時前に決断しました。
朝食を食べ、メンバーにメールで連絡をし、7時45分すぎに、自転車で病院に
向かったのでした。
クリティカルな状況で、いくつかの結果に対して深刻なトレードオフの関係がある、
そんな決断を迫られることがよくありますよね。
目的、目標に照らし合わせて考えることも大事ですが、自分のルールや信条も大事です。
「それなら、手っ取り早く、初めからやっつけたらどうなんだ?」
私は首を振った。
ホークが笑った。「お前は変わらないな、スペンサー。相変わらず、困難な途を選ぶ」
(ロバートBパーカー「ユダの山羊」)
もっとも、私の場合、困難な道をあえて選んでいるわけでなく、結局のところ、自分のだらしなさのために
そういう状況に追い込まれているわけで、まったく反省しきりです。反省したので、
12月11日には、プロジェクトマネジメントに関する研修を受けに東京に行ってきました。
このときに学んだ話はまた、後日ちょっと落ち着いたらすることにしますが、
その中で一つだけここに書くならば。
PMBOKなどの知識や技法に精通し、スキルを持っていることや、
思考法や態度や行動面での能力の高さを持っていることは、あたりまえとして、それを
支える価値観や使命感、そして動機が大事だ、という話が印象的でした。
みなさん、何のために仕事をしていますか。胸に手をあてて考えて見ましょう。
何を大事に仕事をしていますか?
やっと、少しのんびりできるかな、と思ったら甘かった。突然、とある、寒い寒いA国
へ出張するはめになり(What's new)、プレゼン資料を
作ったり、事業計画も重なり、提出書類の作成に追われ、さらに開発のほうの進捗も、
イマイチ停滞ぎみで、なかなか思うようにいきません。
深夜、11時すぎに、若手のT君とCAD室を閉めようとしたら、ある連続通電のコンピュータのスクリーン
セイバーに目が留まりました。車のスクリーンセイバーです。
「パパーノさん、カーエレの人のスクリーンセイバーや壁紙って、みんな車の関係のばっかりで、
楽しそうなんですよ。」
「そういえば、計画発表会のときの発表スライドにも下に意味もなくスポーツカーの絵が
書いてあったな。」
「そういえば...。趣味と仕事と一緒になってるんですかね、
どう思います?」
「ふむ。連中にわれわれの辛さ悲しさを思い知らせてやりたいな。」
「まったくですね。」
は、と気がついたのですが、確かに携帯関係の部品の開発の仕事は、カーエレ関係の開発よりも
動機を一つに集中しにくいのは確かです。カーエレを担当する人は車を愛している人が集まるので
、最初から動機の根本は一緒です。携帯をそんなふうに愛する人っていないものなぁ、そういえば。
「なるほど、携帯の写真を壁紙にしている人はいないですもんね。」
「だからさ、俺たちがなんでツライかというと、ベクトルあわせしにくいんだよ。
仕事の動機が、今開発している技術そのものへの愛着だったり、意地だったり、
上司にほれているから、とか、そんな風で一つにまとめにくいんだよ。ユーザのセットメーカーも
俺たちも単なるビジネスとしてみる人が多いからギスギスして殺伐としてくるのさ。」
「なるほど。」
なんだか、20日に予定されているA国のミーティングでは、身も心も凍るような思いをして
帰ってくるはめになりそうです。
あまりの心労で、帰ってきてから倒れてしまい、病院送りになったりして。
ということで、仕事の量は完全に私の能力をオーバーフローしパニック気味です。
「パパーノさん、やっぱり帰るの遅いじゃないですか。早く帰ると決心したんじゃないんですか?
(What's new)」
「うむ、決心はした。」
「やっぱりねー」
いや、今度こそ、カタい決心だから、
来年からちゃんと守ることにする。
「はははは。それを言うなら、『明日から』じゃないんですか。ははは。」
「明日は...。ムリ。」
4コママンガ<ハムとラン> とキャラのページ (c)Shimamura,T |
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hardy@max.hi-ho.ne.jp |
注1)しつこいようですが
こういう場合は、ええ?本当ですか?あと何年くらい生きられるんですか?
と訊いてほしい。ワンパターンですけど、
50年くらいかなぁ。100年は無理だね。
あぁ、書いていてほんと、もっと他にネタがないのかね、と思ってしまいますね。