パパーノなんなんでしょう

No.75
2006/ 2/ 5

In restless dreams I walked alone
Narrow streets of cobble stone
(Paul Simon, "The Sound of Silence")

今回のなんなんでしょうは、
HHGTTGOnline.com(aka HitchhikerFan.com)
銀河ヒッチハイク・ガイド
です。


心を新たに

(1)何べんも、

君達の来年度の運命は12月の事業計画策定の時点でほぼ決まっているといっていい、と脅かすようなことを 書いているわけですが、実際には、ちと大げさです。
例えば、常務取締役の深遠な考えのもとでの思いつきの一言で異動が決まっているケースもあります。
私の上司の一人のY研究所長によれば、
「悩んで悩んで悩みまくっていれば、あるときにパッとひらめくんだ。」とか、
「お前ら、何時間寝てるんだ?どーせ、ポケーっとしとるんだろう?頭を使え、頭を。頭は24時間動くんだぞ。」 などと言われたそうです。
そこまで考えてもらったうえで、異動が決まったということは、それだけのことがあるはずなんですが、当人にとって、 いや、上司や研究所長にとっても寝耳に水、あまりに唐突すぎて従うしかない、そんなことなのです。
ま、「もっと理不尽な転勤でも従って苦労している人が、他にもたくさんおる。わしだって苦労しとるねんど。」 と上司が考えるのももっともなので、当人にとってはやはり、辛いもんです。
いやいや、こんな場合でも、計画性があるかないかの話だけであって、本人の適性や能力を熟慮したうえで決まっている のは本当ですよ。
みんな悩んでいるんですから。
多分ね。

(2)今年の二冊目の洋書

は、軽いSFの"The Hitchhiker's Guide To The Galaxy" (Douglas Adams: Serious Production, 1979 ,Del Rey, 2005)で、2月5日時点で計画比3日遅れ程度で読み進んでいます ので、どこかでうまく挽回すれば目標の2月11日には読み終えることができそうです。すでに、小説本体は読み終え、 92ページもついているmaking of the movieのbonus sectionに入っています。
私は知らなかったのですが、1979年にイギリスのBBCでラジオシリーズで始まったものらしく、その後TVシリーズになり、 そして、最近映画になったらしいですね。日本では公開されたのでしょうか。Googleで調べてみましたが、 2005年秋に公開予定、というのがひっかかったのですが、実際に公開されたのかはわかりませんでした。
展開の速いドタバタSFといった感じですが、なぜか、どうしてか、わからない うちにどんどん話が展開し、あっという間に終わる感じで、なかなか楽しめました。いきなり地球は滅亡するし、 主人公のアーサー・デントは主人公ならではの何かを発揮することもなく、最後まで状況に振り回されっぱなしです。 滅亡してしまう地球からアーサーを宇宙へ連れ出すのは、英国に地球人として住んでいて実はベテルギュース星系人のアーサーの友人、フォード・プリーフェクトなのですが、彼の謎めいた長いセリフも、笑えるものの あまりパンチが効いていません。2つ頭で手が3本あるゼフォッド・ビーブルブロックスはメチャメチャな言動で アーサー他の登場人物を窮地に陥れてしまい、ある意味、物語をどんどん進めるエンジンになっているのですが、 それだけ、といえばそれだけだし、彼のガールフレンドとして登場する、もう一人の生き残りの地球人、トリリアンも 特に何かを起すわけでもなく、気の利いたセリフを言うわけでもなく、鬱病のロボット・マーヴィン、というのも なかなか笑ってしまうのですが、登場人物が複雑に結びついて何かになるわけでもなく、 ほんとに不思議なSF小説です。
そんなに真剣に読むもんじゃないんだよ、と知っている人には笑われてしまいそうなのですが。

(3)実は、シリーズで

まだ4冊あるらしく、続けて読むかどうか迷ってしまうところです。
もともと、仕事で関係しているミュンヘンのドクターZ氏が、去年の6月に「何べんも読み返す価値のある本はそうないが、 この本はまさしく、それである、是非、君も読んで感想を聞かせて欲しい」とメールしてきたのが読むきっかけだったの ですが、どう返事を書いたものか思案しながら、今、おまけのセクションを読んでいます。
いや、いや、面白いんですけどね、今回、紹介したファンサイトを見るとわかるようにファンも結構いるようだし。
ただ、辞書を引き引き苦労して読むのなら、もう少し別の本を読んだほうが、 自分のためのような気がしてしまうのが辛いところです。
今年は6冊の洋書を読もう、と正月にコミットしたのですが、 このシリーズと、秋にきっと出版されるスペンサーシリーズの新作だけにしたら 軽く達成できそうなのですが、一応、硬軟とりまぜていくつもりなので、 次は何かビジネス書の原書を読もうと物色しています(注1)。時間は貴重で限られているからなぁ。
もう少し英語力がついて、もっとスラスラ読めるようになったらまた読むことにしよう。
ちなみに、「銀河ヒッチハイク・ガイド」というタイトルで、河出文庫から翻訳も復刻されたらしいので、 興味のある方はこちらを読んでみてはいかが?

(4)さて、今年2回目の節目

節分が来ました。節分のときは、雪が降ったりしてその年の冬一番の冷え込みになることが多いように思います。 今年も日が暮れてから、しんしんと冷え始め、雪もちらちらと降り始めました。
巻寿司を食べて、豆を年の数だけ食べて7時すぎに家を出て近所の吉田神社へ出かけました。
吉田神社の節分祭は、普段からひっそりとして正月でさえ人が少ない吉田神社には一年に一度の賑やかさで、 夜になればさらに人出も多く、京大の学部と教養学部(昔はこう呼ばれた。今は違うはず)の間の参道からずっと露天が 並び、ごった返す人の波は、深夜まで絶えません。
東大路通りから京大の正門に向かう通りから、露天が並びます。 鳥居の向こうは人でぎっしりです。
お楽しみのにごり酒。コップとマスと両方あります。 節分につきもののイワシ、見本で焼いているのをちょいともらい、酒を飲みながら齧るのが いい感じ
炭火で焼いたあゆの塩焼きもいけます。 去年と変らない人出です。


今年は、少し店が減っているようで、幾つかのコマが空いていて、勝ち組負け組が露店にも でてきたのでしょうか、おなじみの店がいくつか姿を消していたり、同じ経営者(?)がやっていると思われる 店が何店もあったり、また、出町のタイヤキなど、行列のできる店の行列は年々長くなっているような 気もします。
いい気分で帰宅した後、日頃の疲れが出たのか、バタンキュー。
雪は一晩降り続き、翌朝には結構つもっていました。

(5)あっという間に

一月も過ぎてしまい、一年の計をもう一度振り返ってみると、 「洋書を読む」はなんとか順調、「システム思考を勉強する」も、なんとかやっている、 「論文を読む」は残念ながら実行できず、「英語の勉強をさらに力強く進める」も実行できず。
これから挽回しよう。
仕事のほうは、 Hichhiker's Guide・・・の主人公のアーサー・デントのように、どんどん複雑になっていく状況に振り回されながら、 あふれかえった仕事をなんとか力わざでこなし、ちょっと光明が見えてきた感じです。
3月までになんとかいい結果を出したいものです。この2月の中旬が最大の山場となりそうな感じです。
節分でお賽銭を投げて手を合わせ、頭の中で繰り返しつぶやいたことは。

「この試練をありがとうございます。」

少しクサくて照れてしまいますが、今年は飛躍の年にしようと思っています。あらためて誓いました。


さて、人材育成の計画というのもチャンとあって、チームリーダーと研究所長が集まって、何時間も会議をして 10年くらい先まで決めて公式書類として提出しなければなりません。
「どーせ、こんなん真剣に考えたって、ちょっと誰かが一言言っただけで、ひっくり返されるんだから、 無駄無駄。大体適当朝令暮改有言実行風が吹けば桶屋がもうかる、でいいんだよ。」
「えー?でもテキトーで決めたことでも、計画だから実行しないと追求されるんでしょう?」
「アタリマエだのクラッカー
「じゃ、やっぱり真剣に考えないといけないんじゃないですか?」
「お、タマにはいい事言うな、お前も。」
「よし、もう今日は時間もないし、今回はワシがテキトーに出しとくわ。」
「そうですね、次回集まったときに真剣に考えましょう。」
−いやいや、この会話はウソです、若手技術者諸君、ちゃんと真剣に議論していますからご安心を。でも、一瞬

本当にそんな会議をしているのか

と信じてしまいそうになったでしょ?そこが怖いところです。
もうすぐこのページも始まって4年目を迎えます。
めでたく12345アクセスを超えそうです。いつもごひいきにありがとう。


4コママンガ<ハムとラン> とキャラのページ
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注1)今年3冊目の洋書は、

Jim Collinsの"Built to Last: Successful Habits of Visionary Companies"、邦訳「ビジョナリー・カンパニー」の原書に決めました。果たして、成功した企業から学ぶところをまとめたこの有名本をどのくらい読みこなせるか、 楽しみです。ちなみに翻訳もまだ読んでません。