というと何かとあわただしい時期なのですが、テーマの変更やグループ内での移動、そして、
転勤、とさらに大変なめにあっている人も多いかと思います。
私の一年上のさるチームリーダーSさんが異動することになりました。そんな兆候は
これまでまったくなかったし、むしろ、このまま出世街道を驀進していくだろうと
みられていただけに、彼のチームのメンバーにとっては、
まさに晴天の霹靂、out of blue!(注1)、という感じだったようです。
まぁ、私にとっては、特に驚くこともありません。
「俺も、いつ何があってもおかしくない。」とヘンに覚悟だけはできているからです。Sさんも
同じ気持ちでいたようです。
異動のケースはいくらか考えられるのですが、一年前にたてた計画通り、というのもあれば、
三年前から機会をうかがっていたのがタイミングよく声がかかり即決した、というのもあります。
こういう場合、本人にとっては予想ガイであっても、実はすでに決まっていたわけで、何も
驚くことはないんですが、天からの声、というケースもあります。
天、というのは、常務、とか専務とか、副社長とか、社長とか、会長とか、上記天の人いずれか
の愛人−というのはテレビの見すぎだと思いますが、まぁ、そういった人です。
「へぇ、でも、所長、どうしてですか?」
「親心だ。」
子知らず、というのはよく言ったもので、いなくなって初めて、これまで当たり前のように
いて、ときにはうっとうしく感じていたチームリーダーのありがたさがよくわかる、という
のはよくあることです。また、自分がその立場になってみて、初めて、「ああ、あのとき、
あの人が言っていたのはこういうことだったのか」と思うこともたくさんあります。
そして、自分が悩みどうしたらいいのか迷ったときに、ときには、「あの人だったらいったい
どうしただろう。」と考えると、心の支えができ決断できることもあるものです。
アイデンティティはこうして作られていくものなのでしょう。私自身の行動や考え方は、
過去の私の積み重ねに間違いなく影響されているのだから。
組織や個人が大きく変化するとき、自分自身のアイデンティティを見つめなおし強固にする
プロセスを経るものだと思います。それは、きっと、自らの目を使って過去から学びありたい未来を考えることであり、
同時に現在の自分を広い視野から見つめなおすことでもあると思います。
そんなとき、いろんなことが見えているつもりでいて、実は、まったく見えていないものだ、とつくづく思うのですが、
それを思い知らされるときは、危機的な状況におかれたときでもあります。
の輸入が再開され、吉野家もやっと牛丼を再開することにしたようですが、
まだまだ、十分に量を確保することができなかったりまだまだ苦難の道が続きそうです。
安全に対する考え方がどうか、という話もあり、米国に対する不信感も強い中、どれだけ消費者の
理解が得られるかも先行き不透明です。米国産の牛肉にこだわったことには、
いろいろな見方があると思いますが、自社のコアである「味」に徹底的にこだわった判断は、
立派な経営だと私は感じました。対照的なのが、すき家(ゼンショー)で、
こちらは、米国産の牛肉を早くから切り離し、そして「安全・安心」を中心に、
コアとなるコンセプトを決め、輸入を再開しても、納得するまでは使用しない、と
いうこれまた立派な経営だと感じます。
もちろん、吉野家も安全がどうでもいいと言っているわけではなく、すき家も
味がどうでもいい、と考えているわけでもありません。判断の基準、コンセプトやビジョンの
コアを何におくか、ということです。その上で、吉野家なら安全をどう確保するのか、
すき家なら味やメニューをどのようにしていくのか、を考え実行していくということです。
吉野家は過去に急速な拡大路線をひいて、粉末のを使い味を落とし、値上げして、そのあげくに
失敗、倒産するという苦い経験を持っているだけに、その教訓がしっかりと生きているようです。
(参考資料−吉野家のサイトから:吉野家の考える「安全」と「安心」について)
(参考資料:ゼンショーの企業プロフィール)
変異型クロイツフェルトヤコブ病に感染する確率は交通事故にあう確率よりかなり低いと言えます。
実際、米国側の公式発言でそのような内容があったため、大きな反発をくらっていました。
でも、本当のことです。では、私たちの不安はどこから来るのでしょう。
考えてみれば、交通事故なんかは、影響はきわめて重大で、現に発生頻度が高いわけですから、
もっと厳しく取り締まる、呼気からアルコールを検知したらエンジンがかからない(注2)、
あらゆる意味で安全を確保できるまで車の生産を中止する、などの対策が必要があるように思うのですが、
一向に飲酒運転による悲惨な事故が後をたちません。
BSEのリスクをこれほど真剣に考える私たちが、平気で車に乗るのはなぜでしょう?
それは、リスク管理の自信度に原因があると思います。
食に対するリスクは個人で管理することは難しく、生産、流通、
加工、それぞれの業者や、業界団体、政府などに信頼し預けた形になっています。信頼できるか、できないか、
が米国産牛肉に対する態度を決めるといっていいのですが、本当に何を信じていいのやらわからない、というのが
私たちの本音のところだと思います。マスコミの報道ですら、信じていいかどうかわかりません。
ところが、交通事故へのリスクは、自分で管理できるという自負があるのです。実際はどうかは別にして。
携帯電話かけながらであろうと、酒飲んでいようが、大丈夫、大丈夫、みんなもやっているじゃん、
事故を起こした人はお気の毒様、運が悪かったんですよ、俺は大丈夫、だいたい、そんな泥酔するまで
飲んでから運転するなんてありえないですよ、はっはっはっは。
実はこちらのほうが問題なのかもしれません。つまり、「自分だけは大丈夫だ」という
確信をどれだけ持てるかということが態度を決めるということになるのなら、
一向に世の中がよくなる方向に変化しません。
と、期首、期末の面談の際にメンバーに必ず問いかけるようにしています。そして、実際に、これはと思う本を
メンバーに貸したりすることもしています。それで刺激を受けて本を読むようになりました、などと
聞くととても嬉しいものです。
なかには勉強熱心なメンバーもいます。
「昨日、家族会議(注3)を開きまして、Matthaeiさんの本(Microwave Filters, Impedance-Matching Networks, and Coupling Structures)を買う決裁をとりました。」
「ほ、ほう、感心、感心。あの本はわれわれのバイブルとも言える本だけれども、内容の濃さの
割りにそれほど高くないからな。高周波の技術者であるからには一家に一冊、「家庭の医学」の
位置づけだと言う人もいるくらいだ。」
「そうですね、これで家でもしっかり勉強できます。」
「うむ、技術者は一生勉強だ、というからな。でも、なかなか納得してもらえなかったんじゃないか、
本一冊で1万円というと結構な出費だからな。」
「ええ、嫁には『なんで、会社に入ってまで勉強せないかんの?』としきりに言われました。
この点はまだ納得していないと思います。」
そうかも知れません。われわれ技術集団の仕事はTVや漫画、あるいは小説で現れる会社生活と
かなりかけ離れた部分があるのです。
さて、今年もまた、開発ロードマップを作り、事業計画を立てる時期がやってきました。
年中同じことをしているような気もしますが、仕方ありません。それが仕事です。
今年の合言葉は、「神が宿るロードマップにする」ということだそうなのですが、ただ単なる現状の
延長線上ではなく、考えて考えて考え抜いて鬼気迫る議論をしつくしたうえで、誰もが
その迫力に負けて感心できる、ついていける、そんな絵にしてくれ、ということなのでしょう。
いつ考えても小型低背低価格化しか思い浮かばない
やっぱり勉強不足なのでしょうか。
なんか、ぱっとしたアイディアありませんか?
4コママンガ<ハムとラン> とキャラのページ (c)Shimamura,T |
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hardy@max.hi-ho.ne.jp |
注1)最近
NHKラジオの「ビジネス英会話」で覚えた表現です。the thunderbolt out of blue sky(青空で雷)、
という表現があってその派生系ということです。
最近では、ソフトバンクが日本のVodafoneを買収して、しきりに「予想外の動き」と
コマーシャルしていたのですが、当然、関係者は大分前から知っていて、ちっとも予想外じゃない、
とママに得意げに言っても、先に知っていたからなんなの?という顔つきをされ、
まったく尊敬を得られません。それと同じで、だれそれさんが異動すると先に知っていたからといって
別に何にも偉いことはないのだけれど、なんとなく情報通になったような気がして、
得意げにひそひそ話まわる人ってどこでもいるもんです。しかも、
間違った情報だったりして。もちろん、
事実を大事にし、自分の好きな仕事に没頭し、他人のことをかまわない、人とかかわることが苦手で
暗い人が集まっていると思われがちな企業の研究所であっても、そんなホットな人が
たくさんいます。
いろいろな裏事情や憶測も結構流通しているようですが、たいていは邪推です。
NikkeiBPの記事で
「 飲んだら動かない車、日産が開発へ 」 というのがありました。トヨタなども開発するそうです。インターロックと 呼ばれる装置があって、アメリカで導入が進んでいる、という報道もあります(HotWiredの記事)。そのうち法律で義務になるかもしれませんね。
最近
結婚しているメンバーのうちの数人がこの言葉を使うのを聞きました。
家族会議、っつったって、奥さんと二人だけなのに。重要で、お互いにいいにくいことを真剣に議論するとき
に使うようです。
しめきりが
明日なのに、まったくプレゼン資料ができていない、というときは
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一枚約1000円で宿題をやっつけてくれるそうです。ただ、The New York Times Weekly Review、26396号によれば、
あんまり出来はよくないらしいのですが。