雨が降って寒々とした正月2日め、周囲もひっそりとしていて、なんだか暗い雰囲気です。
年末にフセイン元イラク大統領の処刑、フォード元アメリカ大統領の葬儀、などがあり、いろいろ考えさせられました。
世界のあちこちでカウントダウンのイベントが行われる中、タイのバンコクでは連続テロ、インドネシアでは
航空機が墜落...。
ちょっとショックだったのは、フセインの処刑を喜ぶ人々がテレビで映されたことです。確かに独裁政権下で行われた
弾圧に対する憎しみがあったにせよ、血を血で洗う戦争が今後も続くことが間違いない象徴だと思いました。
実際、駐留米兵の死者数は昨年12月が過去2年間で最も多くの死者を出した月となったそうです。
フォード元大統領は、生前、ブッシュ政権のイラク政策に対して強く反対していたようですが(ワシントンポストの記事)、
ブッシュ大統領はフォード氏の功績を褒めちぎることでどうやら乗り切っているようです。
なにしろ、リンクしたこのワシントンポストの記事を見つけるのも一苦労で、なかったことのようになっているようですが、
もとの記事が削除されていなかっただけでもマシと思うべきでしょう。
まぁ、いつものことですが、巧妙な情報のコントロールの成果が現れているようです。
午後、ハムとママは2日からのバーゲンセール目当てで買い物に。私は、旧約聖書の「創世記」(岩波文庫版、関根正雄訳)
を引っ張り出してきてぱらぱらとめくっていました。
アダムとイヴの子は農夫となった兄カインと羊飼いとなった弟アベルである。カインは自分の供え物が神から顧みられず、
アベルの供え物を神が御照覧になったことを嫉妬し、野原に呼び出し殺してしまう。
「今や君はこの土地から呪われねばならない。この地がその口を開いて君の手から君の弟の血を受け取ったからだ。
君がこの土地を耕しても、地はもはやその力を君に提供しないだろう。君は地上の放浪者にならねばならない。」
もともと人は同じ言語を持ち、同じ言葉を話していた。天に達するバベルの塔を造り、自分たちの名を有名にしようとした。
神はその町と塔を見て、
「始めた最初の仕事がこの有様だ。今に彼らの企てる何事も不可能なことはなくなるであろう。よし、われわれは降りていって
あそこで彼らの言葉を混乱させ、彼らの言葉がたがいに通じないようにしよう。」
そうして、建設中のバベルの塔と町は放棄され、彼らはそこから全地に散らされたのだ。
一方、テレビでは正月の特番で世界遺産関連の番組がいくつかあり、古代インカの都市マチュピチュも何度か登場していました。
昔、インカの人々は太陽をあがめ、石積みの神殿を築きました。
鉄器を持たず黄金で道具を作り、車輪を知らなかったということです。
文字を持たず、貨幣もなかったといいます。急斜面に段々畑を作り、とうもろこしを栽培し、酒を造り、大地と太陽にささげました。
それも16世紀にスペインのピサロによって破壊されました。学校の授業での世界史ではそれほど深く触れられることのない、
その卑劣な手段とその後の悲惨な植民地行政について、あらためて岩波新書の「インカ帝国」(泉靖一著、1959年)を
読み返してみました。
文明を破壊しつくし、さらに鉱山で過酷な労働を強いた結果、わずか40年ほどの間に、インディオの人口は
二分の一から四分の一までに激減したと伝えられているそうです。
年賀状を投函しに、表に出てみました。周りの家の灯りも普段どおりで、近所の中華料理の店もコンビニも開いています。
街路灯もいつもの夜と同じです。いつになく寒々と見えるのはなぜだろう。
元日のニュースで目を引いたのが、プリオン持たない牛の飼育に成功
というものでした。「体細胞クローン技術を利用して、核を抜いた牛の受精卵にプリオン遺伝子の機能を失わせた牛の繊維芽細胞の核を移植。これを雌牛の子宮内に戻して出産させた」ということです。特に異常がないまま成牛に育ったそうです。
去年、日本の交通事故による死者は減少し、51年ぶりに6000人台までなったそうです。
インドネシアの飛行機事故は12名の生存者がいたということです。
(注:これを書いた時点ではそう報道されていました。大変残念なことに、誤報だったらしく、1/3現在、まだ行方は不明ということです。ロイター記事)
百貨店は人でいっぱいで、入店を制限している店もあったということです。
さて、このコラムのスタイルを変えてみました。
いったい、誰に何を伝えたいのだろう、と考えても考えてもなかなか答えが出ません。ただ、
私が、今、感じて考えたことをもっと素直に記しておこうと決めました。たぶん、これまでの読んでいただいた方には
内容がつまらなくなったと感じられることと思います。また、もっとはっきりとした主義主張を求める向きには
もの足りないでしょう。
書くことの負担を少しでも減らすために、いろいろくっつけるのもやめてみました。
私はこの2007年1月16日に40歳になります。不惑どころか迷いばかりで、一人前の男とはほど遠い有様です。ただ、
こうやって書くことで自分の考えや行動を省みることができ、少しは自分の成長に役立つということは、これまで、
このページを書いてきたことで実感してきました。
これから私にどんな運命が待ち受けているのでしょうか。きっと、これまでよりも悩みながらも素直に引き受け
ぶつかっていけることでしょう。その足跡をここに記していきたいと思います。
そんな、大げさな。−そう、その大げさが私の今の気持ちで、結局、このコラムを書く動機なのです。
今後もよろしくお願いします。
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