パパーノなんなんでしょう

No.89
2008/7/6

Slow down, you move too fast
(Paul Simon, "The 59th Street Bridge Song (Feelin' Groovy")

今回のなんなんでしょうは、
How to Do Nothing
です。


How to Plug in Your Prius, or Ready to Put Off Your Engine

(1)この間

IEEEのSpectrumの5月号を読んでいたらトヨタのプリウスをプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)に改造する記事が出ていました。 アメリカの話なのですが、そういう改造する会社Hybrids Plus社があるのです。写真で改造する過程が紹介されています。Panasonicの1.3kWhのニッケル水素電池ははずし、4.5kWhの容量を持つ中国製のLiイオン電池に載せかえます。制御回路をうまくだますように信号を送り込んだり、充電用のプラグをつけたりして完成です。もともとプリウスは電池だけで長い距離を走るようにはできていませんが、50km程度、電池で連続走行できるようになるそうです。プリウス本体がUS$25000、改造費がUS$32000、というのですから、本体よりずっと高い。
写真を見るとそのお宅は屋根一面や壁の一部にもソーラーパネルがつけてあって、2000kWhもの余った電力を売ったりしているくらいだそうで、リッチなのですが...。

(2)ところで

私はこの数年間、毎週、土日の朝にテニスの壁打ちをしに近くの宝池運動公園に行っていて、毎回一時間程度汗を流しています。朝のはよから、私のほかにも常連さんが何人かいます。その中で一人、60歳を少し超えたおじさんで、昔会社を経営していた人らしいのですが、話題が豊富で楽しい方がいます。最近は本人いわくプータローということで、身なりは質素ながら割合いい感じなのですが、車はボロボロのワンボックスの車に乗ってやって来ます。3週間ほど前だと思うのですが、その社長さんの車がリッター30kmも走るという話を聞き、ちょっと驚きました。
上に書いた改造プリウスでも、走行条件にもよるけれどリッター30kmちょいくらいらしいです。少し調べてみたのですが、プリウスのカタログ値は30kmないしは35kmなのですが、街中をうろうろ走っているくらいだと16km程度、高速で巡航する時間が長い理想的な条件で20kmちょいくらいらしいです。
ですから、リッター30kmというのは驚異的な数字で何か間違っているんじゃないかと思っていろいろ聞いてみたのですが、 どうやらやっていることは単純らしい。

(3)要するに

「使わないときはエンジンを切る」というのを徹底してやっているということなのです。前方に赤信号が見えて停まらないといけない、と 判断したらその瞬間に走行中でもエンジンを切ってしまう。ローテクのマニュアル車だからこそ できるテクニックです。うまくやらないとバッテリーがあがってしまうこともあるというので、相当です。 なんとも危ない話ですが...。
本人曰く、プリウスと一緒のことをマニュアルでやっているんだ、ということなのですが、まぁ、発電して回生する という部分はないので、これは正しい理解ではありませんが、一部はあっています。考えてみれば 省エネの基本は単純な話で使わないときは切る、ということです。15年ほど前に私の友人が開発していたLSIも同じ原理で低消費電力を実現していました。間欠的に動作させるうえ、必要な回路ブロックの電源のみが入るように制御していたのです。家の省エネだって同じですね。私自身はあまり環境を考えた行動ができていないのですが、なんとなく眼からウロコというか、今年は少し環境を考えた取り組みを主体的にしてみようか、と改めて考えさせられました。

(4)ちょうど

廊下の白熱電球が切れたので、電球型の蛍光灯を買ってきて換えてみました。750円ほどで、少々高かったのですが、 どうでしょう、寿命がスペックどおりなら、お徳なはず。実はLED電球も探してみたのですが、まだまだ6000円とか10000円とかするので、手が出ませんでした。
これまで60Wだったのが12W、大分ましになったとはいえ、スイッチ入れて点灯するのに少しだけ間があるのと、やっぱりちょっと暗いか。欧米では"Ban the Bulb"というのを合言葉(注1)に基本的には白熱電球を廃止する方向になっているということで、この間5月にドイツへ出張で行ったときも、ホテルの電球も電球型蛍光灯に変わっていたりして時代を感じます。
私もとりあえずは切れる順番に蛍光灯に変えていこうかと思います。この分野では東芝ライテックと松下電器が寡占状態になっているらしいのですが、普及しはじめるころにはLED照明がメジャーになるような気もしますし、予断を許しません。LED照明も、おそらく手元灯になるでしょうが、この半年の間に導入してみようと思っています。 参考:
輝き増すLEDの未来白熱電球の時代は終焉へ(NikkeiBPのページ・山根一眞氏)
今が換え時!電球型蛍光灯(前編)
今が換え時!電球型蛍光灯(中篇)
追記:日経トレンディネットに7/7付けで記事が出てました。タイムリーですね。(2008 7/7)
松下VS東芝、最新のエコ電球の違いを使って検証

(5)ここ京都では、

梅雨入りしてから、6月中は結構雨がよく降って梅雨らしい日が続きました。7月に入っていい天気の日が続き、真夏なみの暑さで本格的な梅雨の湿度で鬱陶しい毎日です。昨日の晩からあまりに寝苦しく七転八倒、4時すぎに眼が覚めてしまいました。もう一度なんとか寝て6時起き、恒例のテニスの壁打ちに行ってきました。
実は昨日の朝、やはり常連さんの一人でもの凄く太ったおじさんが、「ちょっといいですか」と声をかけてきました。
「ラケットのヘッドが下がっているのが気になるんですよ。手首を直角にして、ヘッドを上げたら安定してもっとよくなりますよ。」
今日はこれに注意しながらストロークをしました。これまで、だいぶマシになったとはいえ、少々コントロールが悪く、ボールの力がもう少しといったところなので、少し距離を離すとラリーが続かなかったのですが、面白いように続きます。同じ力で1.5倍ほども力強いボールを打てるようになったように思います。グリップを少し工夫することも大事だと、これも指摘してもらってわかりました。
汗もしっかりとかいて、昨日の晩によく冷やしたイタリアのスパークリングワイン、Santero Pinot Chardonnay Vino Spumante Brutを空けていたものの、すっきりとさわやか、一日を有意義に過ごせました。


前出の社長さんに
「君がボールを打っている姿を見ていると、ほんとにストレスを感じないな。ストレスがたまっている人はどこかに出るもんだけど、まったく感じない。」
と言われました。昔の私ならカッコつけて「私はストレスを感じない人間なんです。」とうそぶいたところですが、今の私はもっと素直に認めることができます。「いいえ、毎日ストレスで一杯です。でもストレスの中でどう行動するのかは自分次第だ、と心がけて、ストレスに影響を受けないようにしています。」
腹が立つことがあろうが、ストレスでダウンしそうになろうが、そのときに自分がとる行動は 自分の責任で選択できるものです。
やけ酒、やけ食いなんていうのは最悪だと思います。なんの解決にもならない。な〜んて、ただ単に

美味い酒を飲みたい

というのが行動原理なだけだったりして。
この3ヶ月はまぁまぁの出来でした。出来なかったこともあるけれど、最低限の目標は達成し、自分もちょっとはなかなかのものじゃないか、と思えるようになりました。次のクオーター、9月まで、ますます頑張ろうと思います。


4コママンガ<ハムとラン> とキャラのページ
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ちょっと豆知識

この言葉は原水爆禁止運動の標語、Ban the Bombにひっかけたものだそうです。