パパーノなんなんでしょう

No.90
2008/8/17


How many nights you think that you can do what you been doing?
(Paul Simon, "Run That Body Down")

今回のなんなんでしょうは、
Every Wall Is a Door Paper Weight
です。


A Dull Boy

(1)小学生のころ

小さいころ、夏休みをどう過ごしたか、というのはあまり憶えていないのですが、近所にお寺があって、そこがちょっとした森のように木を植えてあったので、いつも午後にはせみ取りをしていたように思います。アブラゼミばかりで、たまに ミンミンゼミを捕まえると嬉しかったものです。川崎市の真ん中のごちゃごちゃとしたところなのですが、田んぼも たくさんあって、その中に木がこんもりと植えてあるところもいくらかあったので、珍しい昆虫はいなかったものの、 トンボ(主にシオカラトンボ)やクワガタ(主にコクワガタ)、カミキリムシ(主にキボシカミキリ)などをとったりしていたことを思い出します。 アメリカザリガニもよく捕まえた覚えがあります。
宿題はためてしまい、最後の数日で仕上げるパタンでした。

(2)Googleの

ストリート・ビューで確かめてみました。
中学のころに引っ越したものの、川崎の住所は、不思議なものでソラで暗記しています。Googleのページで地図を指定して住所を打ち込むとすぐに出てきます。そのお寺や近所の小学校や幼稚園、マンションなどはほとんどそのまま残っているようで、どこを見ているのかすぐにわかります。適当に移動して拡大したところで、ストリートビューをクリックします。見慣れていた細い路地のような通りが写ります。秋から冬にかけて収集された写真のようです。
ポインタで見る角度をうまく調節して、少し動かしてみると、ありました。昔に住んでいた家がまだあります。記憶とちょっと違っていますが、建て替えもしていないのか、ほとんどそのままです。そのままその辺をうろうろしてみると、駄菓子やさんがなくなっていたり、近所の幼稚園がきれいになっていたりしていますが、基本的にはほとんど同じです。
蝉取りをしてた木々はもうなくなっているようです。
訪ねたのは約28年ぶりでしょうか。

(3)もちろん

今、住んでいるうちの近所もストリートビューで見てみました。表通りに面している隣の家ははっきりくっきり写っていて、表札まで見えています。裏の駐車場にとめている我が家の車もしっかり激写されています。
ひょっとして家内や近所の方などが、自転車で走っているのが写っているかもしれない、と思い、近所をあちこちウロウロして結構時間を使ってしまいました。残念ながらまだ面白いものは何も見つかっていません。
休みの間に妹が遊びに来たので、ストリートビューで、妹が住んでいる仙台の社宅がどんなところか案内してもらいました。
「ここ、この信号、見て。面白い形でしょう。」
などと、周辺の面白スポットなども案内してもらいました。
会社で勤務時間中に自分の家や家の近所を紹介しあって実験室でワイワイガヤガヤ一日をつぶしていく人がたくさんいそうです。 これも他のIT関連企業やTech-Savvy企業の生産性を落として自社の優位を保とうというGoogleの作戦かもしれません。
前にも書いたと思うのですが、シカゴを舞台にしたサラ・パレツキーの女性探偵V.I.ウオショースキーのシリーズを読んでいたときにストリートビューで確かめながら読んでかなり感激していました。そんな使い方もあって、 便利といえば便利なのですが、ちょっと気味が悪いような複雑な気分です。

(4)そのころから

「勉強ばかりしていると目が悪くなる。」とか「勉強ばかりしているから性格が悪い。」などと言われたことがあるように思うのですが、All work and no play makes Jack a dull boyってアメリカでも同じようなことが言われているようです。私自身の実感としては、本はよく読んでいたように思いますが、それほど勉強らしい勉強をしなかったように思い、それが反省点なのですが、本をそれほど読まない人にとっては、本を読むこと自体、勉強だったり仕事のように思えるのでしょう。
この夏休みはPeter Sengeの"The Necessary Revolution"を読了しよう、ということと、川喜田二郎の「パーティ学」(発行:(株)社会思想社、1964年)を読むことを目標の一つにあげていました。Peter Sengeのほうは1日20ページ読んでなんとか終わる、というちょっとストレッチした目標だったのですが、なんとか終わりました。川喜田二郎も1日30ページ平均でぎりぎりというところで、これも目標達成。川喜田二郎は「KJ法」という周知を集めて発想を支援する技術を確立した人で、その考え方は普段から応用させてもらっています。
改めて読んでみると、The Necessary Revolutionと、問題意識や必要とされる発想の転換に関して、とても共通するものがあって、興味深く感じました。

(5)残念ながら

その共通点や相違点、そしてこれからの展望についてここに書く余裕がないので、次に譲ることにします。
とりあえず、とても楽しく読み終えることができ、満足することができました。他に毎朝のテニスの壁打ち、10日の休みのうち8日間実行しました。少々やりすぎで手首が痛いのですが、常連さんに教えてもらった新たなTips2点でさらに上達した実感があって充実した気分です。手首の角度と、フォアハンドでの体重移動の方法です。去年の夏から、5点ほど指導してもらっているのですが、一つ一つの効果がはっきりと出るのでとても嬉しい気分です。ボールの力とコントロールがほんとに良くなってきました。
また、これまでは仕事を持ち帰ってもまったく手をつけずに休みが過ぎてしまうのが恒例だったのですが、毎日2〜3時間ほど計画的に仕事にわりあてることができ、これも、思ったほどには進みませんでしたが、まぁよしとできるレベルだったと思います。
もう一つの重要な目標、飲みすぎないように、というのは、主観的ですが...。ちょっと飲みすぎだったかな、正直言って。
だいぶ頑張った夏休みでしたが、平日のストレスをそのまま持ち込んだ感じで、結果、やっぱり休日にストレッチした目標をたてて努力するのはイマイチかもしれないと思いました。来年はもうちょっと自分に優しい目標にしよう、と少し反省しています。
体重は1kgちょっと上昇してしまいました。
今、サンデマンのホワイト・ポートをロックで飲んで楽しんでいます。極甘口の白ワインにブランデーをブレンドした感じで、とても美味しい。梅酒のような感じです。


ここ京都では、 16日の晩に有名な大文字の送り火があります。大文字山の大の字、法、妙、舟形、左大文字、鳥居、と8時から10分〜15分おきに順番に反時計周りに点火されていきます。30分ほど燃えているのですが、軽く煙をあげながら燃えていく大の字を見ていると、過ぎていく夏を実感させられます。
夏休みの最終日、17日の今朝も6時半からテニスの壁打ちに行ってきましたが、だいぶ暑さが和らいだように思います。今年の夏も終わります。あっという間に期末が来て、あれよあれよという間に11月に入れば来年度の事業計画。

2008年はもう終わり

という気分です。オリンピックももう終盤です。
あー、女子卓球団体戦、韓国にストレートで負けてしまいました。銅メダルならず。素晴らしい試合内容で、結構、興奮させられましたが、やっぱり実力の差でしょう。それぞれの夏が終わります。


4コママンガ<ハムとラン> とキャラのページ
(c)Shimamura,T
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日本人の軽率さとして

川喜田二郎の「パーティ学」262ページに、次のような文章があります。
「なにかがうまくいくと、その理由を批判的に分析することもなく、鵜のみに賛辞を送ったりうぬぼれたりし、逆に失敗すれば原因のいかんを問わず意気消沈したり信用しなくなったりしやすいものです。」
オリンピック前後の報道やいろいろな人のコメントを見るにつけ、この44年前の文章が金言のように思えます。まったく...。