パパーノなんなんでしょう

No.94
2009/5/6

Now the rovin' gambler he was very bored.
He was tryin' to create next world war.
He found a promoter who nearly fell off the floor.
(Bob Dylan, "Highway 61 Revisited")

今回のなんなんでしょうは、
IDSC インフルエンザ
です。


インフルエンザ

(1)恐ろしいことに

急に新型インフルエンザが流行しはじめました。毒性は弱い、ということですがメキシコでは死者も出ているので油断がなりません。
「ここまで危機をあおって騒がなくてもいいんじゃないの?『テロとの戦い』がだいぶ都合悪くなってきたんで、ちょうどよく、ウイルスとの戦い、ってね。」
「あら、また出たわね。お得意の陰謀説。」
「そうそう、地球征服を狙うブラックゴーストの陰謀なのだ。ってそんな頭のいい奴ぁいねえよ。まぁ、マスコミだって草なぎ剛の話題でしばらくもたそうと思っていたところで、騒ぎすぎて逆にバッシングされて形勢が不利になってきたところで、ちょうどいい話題で見事にスイッチできたわけだろ。ちょうどみんなの利害が一致したからエスカレートしてるだけだとニラんでいるんだけどね。」
「あらずいぶんじゃない。自分がものすごくおりこうさんのように言っていて、人のこと言えないわよ。あんただっていつも飲んだくれてのびてるだけじゃない。この連休だって...。」
「まぁまぁ、それはそれ、これはこれ。だいたい、精密に遺伝子検査をしないと区別できないようなインフルエンザだったらそれほど騒ぐことはないじゃないか。怖い怖いと言い出したら普通のインフルエンザだって十分怖いぜ。子供や老人がかかったら死ぬリスクは高いんだから、さ。」

(2)さて

問題はどれだけのリスクがあるか、という点だと思うのですが。たしかに放っておいてAIDSのようになってしまうとエライことですからね。
「でも専門家がニュースショーで少々の不便は理解して協力するべきだ、と言っていたわよ。それに、いつ毒性の強いインフルエンザに変異するかわからないから警戒しないといけない、って言ってたし。」
「そりゃそうだ。専門家はここぞとばかりに自分の知識がいかに世の中に役に立つか披露するんだから、TV局や政府の思うツボだよ。」
「まったく、もうちょっと素直にものを見れないの?」
「だってさ、普通の季節流行性のインフルエンザだって同じリスクを持っているんだぜ。今に始まった話じゃない。豚のインフルエンザだって別に目新しい話じゃないぜ。」
「へぇ、鳥インフルばっかり目がいってたのに。」
「昔から、豚と鶏が重要な役割を果たしているって言われてる。だから、新しいインフルエンザのウイルスは中国の雲南省で生まれるといわれているんだ。鶏と豚が一緒に飼われているからね。鶏インフルと豚インフルが遺伝子交換していろんな種類のウイルスが誕生する。なかにはたまたま人に感染するヤツもあって、それを渡り鳥が運んで一度北極圏に持っていくんだ。で、アザラシがまず感染する。そして次の年に渡り鳥が日本に持ってくるってわけだ。だから、アザラシがかかっているインフルエンザを調べれば次の年に流行するインフルエンザの型がわかる。それで製薬会社は効率よくワクチンを準備できるんだ。」

(3)へえ

「それって本当?」
「ごめん、ちょっと口からでまかせが混じってる、と思う。とくに雲南省の人にはごめん。昔きいた話で、ウラはとってない。話を面白くしようとしただけで、私のこのページのせいで風評被害は出ないと思うので許して欲しい。」
「思わず信じそうになったじゃない。」
「信じるかどうかは一度調べてからにしたらいい。でも、間違いないのは、インフルエンザの脅威は今に始まった話じゃなくて、昔からあるってこと。それにさ、専門家に今回の新型インフルエンザが危険かどうか訊けば、答えは決まってるじゃんか。曰く、今、現在のままなら、毒性は低い。でも通常のインフルエンザと同程度の危険度はある。ヘタすれば大流行するし、死ぬ人もでる。特に体力のない子供やお年寄りが危険だ。それからいつなんどき毒性の強いウイルスに変異するかわからない。べつに間違っちゃいないよ。」

(4)面白いのは

インフルエンザって、インフルエンス、影響って言葉が語源らしいってことです。この騒ぎの広がりそのものが、インフルエンザのような様相を呈しているのです。まるでテロの脅威のように。
「緊急事態だ、緊急事態だと言って大騒ぎしながら、実はとっても嬉しそうな人っているだろう?」
「それって、あなたも一緒じゃない。みんな深刻になっているのに、自分だけ偉そうに。だいたい、あんたは飲みすぎなのよ。」
「だから飲みすぎは関係ないって。」
「あらら、いつもは『飲みすぎてなんかいない、適量だ、これでも減らしたんだ』なんてわけわからないこと言っているくせに。都合が悪くなるとこれだから。」
「いや、だから、それとこれとは別だって....。」
べつに誰かが仕組んでいるわけでもなく、みんな、実直にやるべきことを一生懸命しているだけなんですけどね。でも、もっと大きな問題があってそこから目をそらせようとしているんじゃないか、って思ってしまうのは私だけではないはず。


TVのインタビュアーが専門家に「新型インフルエンザの日本への上陸を防げるでしょうか」と訊いていました。米国人の専門家は深刻そうに「防げないと思います。」と応えてました。

あたりまえのこんこんちき

じゃねぇか。もし、日本に上陸しなかったとしたら、多分、新型ウイルスってのが最初から茶番だったってことくらいしか理由が思いつかない。まさか、そこまではないはず。
流行することを前提にどうするかをもっと真剣に議論するべきなんじゃないでしょうか。発熱症状で診療拒否なんて、アホなことがおこらないように。それはさておき、世界の症例のうちの一部、ひょっとしたらかなりの部分が、日本流に精密検査をしたら実は香港A型やソ連A型だったなんてことはあるかもね。


4コママンガ<ハムとラン> とキャラのページ
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