パパーノなんなんでしょう

No.9
2003/5/20

in the hour when the heart is weakest, and memory is strong;
when time has stopped and the bus just rolls along.
(Paul Simon, "Ace in the Hole")

今回のなんなんでしょうは、
 NASA National Aeronautics and Space Administration
です。


素晴らしい未来

(1)連休明けから

連日、家へ帰りつくのが深夜1時、家を出るのが朝6時半というハードな毎日が続いています。 2週間もたつとちょっと辛くなってきました。この間は、途中の駅どまりの終電で帰るはめになり、 乗り合いタクシーで帰りました。メータ6000円くらいの距離ですが、5人乗せて3000円〜3500円ずつ とるので、結構な儲けですよね。縄張りがあるのでしょう、いつも同じ、鈴木ムネオ風の運転手です。 飲んで遅くなったときに2回ほど利用したので、向こうも顔を覚えていて くれたのですが、オマケしてくれませんでした。いいときも悪い時もあるので、それほどボロクはないらしいです。
それにしても、長時間仕事をしているといってもこれといったアウトプットがありません。 なにせ、このところ、「パパーノなんなんでしょう」以外のドキュメントをほとんど書いていないのが実情です。 この2週間、週報もサボリました。 仕事の進め方が悪いだけだ、というウワサもあるのですが、 4月はちょっとサボらしてもらって、5月から飛ばそう、という今期の計画なのです。 でも、まだ本調子ではありません。これから、約2週間で加速してガンガン行くぞ。オヤジギャグ全開だ!
でも、まわりの人にとっては迷惑かもね。

(2)ところで

私の職場では、まだ新人を見ていません。私の会社では、様々な研修や実習が夏の終わりまで続き、 配属されるのは8月の末だからです。私もその昔、入社したての時、この時期は工場のラインで作業していました。 同じ工場で実習したN君は、CD-ROMユニットのラインの検査工程で、一日立ちっぱなしで作業していました。 コンベアにのって次々に流れてくるユニットの完成検査するのですが、なにせ、立ちっぱなしの単純作業です。 しかも、彼は背が高いから、なおのことシンドかったことでしょう。実習の最後の日に実習の成果を発表します。 実習の成果とは、つまり、 自分がラインに貢献した内容や、この体験によっていかに自分が変わったか、など、ですが、実際には、漫然と 取り組んでいることが多いので内容を取り繕うのは大変です。
N君は、検査工程に椅子を導入して座って仕事をすれば、いかに作業能率が上がり、経営に寄与するか、を 経済学の知識を総動員して発表して、工場長から大目玉をくらってしまいました。 まぁ、でも、若いうちは生意気なくらいのほうがいいです。新製品を開発しよう、と意気ごんで入社した エネルギーは我々を刺激し、素晴らしい未来への新しいパワーを生む・・・はず、です。

(3)前回のなんなんでしょうの最後で、

「君はどの星になりたい?」と書きました。「私は、シリウスのように孤高な青白い輝きを放ちたい」、とか 「金星のように熱く、熱く、輝きたい」とか、「村田○作所の星になりたい」とか、「巨人の星になりたい」 とか、メールが百万通くらい殺到するんじゃないかと思ったのですが、みんな控えめなのか、一通も届きませんでした。
それはともかく、朝日新聞2003年5月16日の夕刊の1面に、海王星の写真が大きく載っていました。 内容は、「96年と98年02年のハッブル宇宙望遠鏡の観測データを分析。年を追うごとに、海王星の南半球で 雲の帯が太くなっていることを突き止めた。」(当該記事)ということです。 「ただし、海王星は165年もかけて太陽の周りを回っており、春夏秋冬はそれぞれ40年以上も続くと見られる」 とも書いてあります。
しかし、この記事でおかしいと思うことがあります。冒頭の文章を見ると「海王星に四季が存在しているようだと発表した」 と書かれているのです。NASAの当該ページを見る限りでは、 発見は「雲の帯が太くなっていること、それが季節の変化の証拠だ」ということだと思います。 さらに、海王星は地球と同様に地軸が傾いているので、南半球が太陽によって暖められて雲の帯が太くなっていると考える、 ということ、 北半球と南半球それぞれ太陽から受けるエネルギーから海王星の南半球は地球でいうところの春を迎えているのだろうと言える、 ということです。 記者会見があって、その内容を記事にしたのだと予想します(追記1)が、その場では、そう発表されたのでしょうかね。165年かけて太陽の周りを一周するのに たった6年の観測データから、四季が存在していると発見できるとは思えないのですが。 プレスリリースをよく読むように朝日新聞に言いたい。(追記2)

(4)NASAのHPは

平易な英語で書かれていて一般の人にも読みやすいと思います。多分、中学生でも理解できるのではないでしょうか。 海王星の春が「気温はマイナス400度F、 時には900マイル/時の突風が吹く残忍な嵐の季節」だという段落の冒頭が、"Bring your parka." ですから ちょっと、ニクイ文章です。わくわくしますよね。すぐにでも惑星間旅行ができそうな気もしてきます。
そういえば、ついこの間 (2003年5月9日)、日本も、小惑星の探査機「ミューゼスC」 の打ち上げに成功しました。(資料:「M-V-5号機打上げ」) 真空プロセス技術者には、推力として使われるイオンエンジン も興味あるところだと思います。ECRイオンガンを推力として利用するようです。 なんでも、主エンジンに採用されるのは初めて、ということらしい。 このミッションは、小惑星「1998SF38」に着陸して砂を採取して2007年6月ごろに帰還することが目的なのですが、 ソフトボール大の「ターゲットマーカ」を置いてくるそうです。世界の約88万人の名前が刻まれているということです。 米粒に毛筆で名前を書く技術が生きている、ってわけはないか。それにしても、なかなかロマンある話ではないですか。

(5)秋から冬にかけて

深夜に駅から家まで帰る間、ふと夜空を見るととても星がきれいでした。私は都会生まれ都会育ちで、満天の星は見たことがありません。 オリオン座の三ツ星くらいまでしか見えなかったのですが、最近、少し空気がきれいになってきたのか、オリオン星雲まで 見ることが出来ます。なかなか結果の出ない仕事に疲れて帰るとき、涙がこぼれないように空を見上げて、はるかな宇宙に思いを馳せて 、明日こそリベンジだ、と決意を新たにしたこともありました。「神様、どうかこのプロジェクトを成功させてください」 と何べん祈ったことか。深夜の四条大橋から、何度「ばかやろー!」 と叫んだことか。七転び八起き、棚から牡丹餅、ヒョウタンから駒。いつか、宇宙に飛び立とう。


今期は、課長、部長、先輩社員のおだてにのってますますオーバーワークになりそうです。「自分は何でもできる、と思えるのは若者の特権」 といいますが、なんか豚もおだてりゃ木に登る、って感じですよね。木から落っこちたところを狙って リストラしようってハラかもね。

酔っ払いじゃないんだから

、なんでもかんでも、「やります」って言わなくてもよさそうなもんです。でもね、「できません」と 言えないですよ、なかなか。



追記
(1)まさか、
NASAのホームページで見つけただけの情報をトクダネにしたとも思えないですよね。それじゃ、 このページと一緒です。それに、情報を曲げて記事にしたことになるしまったくもってケシカラン、ということになります。 発信はワシントンの村山記者ということですから、記者会見があったのでしょう。 阪神番記者のように、NASA番、とかあるんですかね。朝日新聞にはたまに、NASAが発見した、という記事が載りますから きっとNASAにはりついているのでしょうね。

(2)2003年5月20日朝日新聞(13版)22面、「言いたい」は、ちょっと笑えます。
読者からの投稿ですが、題は「「自分」のない若者」。文末に「彼女のように「自分」のない若者 が増えているのでしょうか。」と結んでいるけれど、投稿者は24歳。はっは。
増えているのでしょうか、という同意を求めるような文章も気に入らない。これは、新聞の論説でも見かける文末ですが、 言いたいことがあるならば、はっきりと言ったらいい。投稿だから別にいいけど、私も、そんなに褒められた文章を 書いているわけでもないしね、でも、何かを言っているようで、その実、無意味な言説が多すぎる。少なくとも 新聞がそんな文章を書くのはやめにしてもらいたい。

(3)しかし、それにしても、
天下のNASAのHPで、温度は華氏だし、距離の単位はマイル まぁ、一般向けとはいっても、どうしてこう、独自の単位にこだわるんでしょうね。せめて、カッコつきでも 温度はケルビン、距離などはMKSにしてほしいものです。


4コママンガ<ハムとラン> とキャラのページ
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