になりますが、10月29日は所感の登板、じゃなかった当番だったのですが、日頃、若手には、
「高い人件費の技術者を集めて数分間拘束するわけだから、みんなのタメになる話をしない
といけない。」とか
「君たちはいつも最後に、”雑感ですが所感を終わります”、と言っているがあんなものは、
とても雑感とはいえない。立派な所感じゃないか。俺が本物の雑感とはどんなものか見せてやる。」とか
「所感の冒頭に、"何も考えてなかったので、何を話そうか困っているのですが"と言って始めるヤツがいる
けど、そんなことを言うのは意味がない。」とか
「君たちの声は小さすぎる。」
などと豪語していたのですが、今回は前回ほど
準備することができず、当たり障りのない、普通の所感
になってしまいました。
じっさい、このホームページにいろいろ書いているせいでネタがないのも事実です。
また、食べ物や海外出張の話で何分も話すのもシラけるだけですから、実際、このページもシラけている
かもしれませんが、だからといって、本当につまらない話をして、「アイツはつまらないヤツだ」
と思われるのもイヤなもんです。
前の前の研究所長(いや前の前の前、だったかな)は昇格候補にあげようとしている人や、
見所があると思っている人の所感の時は最前列で話を聞いていたものです。
たかが所感とはいえ、結構、聞く人は聞いているものですから、少し注意が必要です。
2月と同じく、移動は単独行動で、向こうで事業場のTL(チームリーダー)2人と落ち合いました。
当初、私は夜遅くに着くので、一人でパウラーナーのビアホールで食事にしようと思っていたのですが、
移動の前日に電話がはいり、せっかくだからみんなで夕食に行きましょうということになり、
最初の晩は中華料理と相成りました。その二人は、ババリアン料理はくどくてあまり好きではない
らしいのです。時差もあってしんどそうな二人をひきずり回して
晩の9時すぎに開いているかどうかわからないレストランを探しまわるのは
私にはとてもできませんし、かといって、
「いや、俺は俺の好きなように勝手にするから。」
とも言えない気の弱い私は、ホテルの向かいの中華レストランに一緒に行きました。
でも、彼らと一緒だったからこそ、ミュンヘンでの中華料理を食べることができたわけで、
彼らのおかげで「私」の壁を超えた、と言えるのです。
中華料理はどこで食べても美味しいといいますが、確かに、美味しかったです。
スペアリブの豆ち蒸しも、ほんとに美味しかったし、チャーハンも素晴らしい。それにしても
白いインディカ米のご飯がたっぷりついてくるのはサービスなんでしょうか。そんなにいりません。
夕食も、先方は、こちらの二人がむしろイタリアンかそんなもののほうが好みだと承知しているので、
初日はイタリア料理、2日目がフランス料理でした。ただ、いずれにしても量が多いので、
私は、また大量に残すはめになりました。いつも、申し訳ないなぁと思いながら、
歳をとって胃が小さくなったのか、かなり、残してしまいました。
今回は魚料理を主に食べました。ミュンヘンみたいなアルプスの山麓でシーフードもないよな、と
思うのですが、魚か肉か、と聞かれればついつい魚と答えてしまいます。
フレンチレストランでは、デビルフィッシュなるものを食べました。
確かにそう聞いたはずのですが、デビルフィッシュってタコのことのはずだけどなぁ。
なんだか深海魚みたいな尾びれがついた魚でした。
調べてみたのですが、わかりません。
ブルー・デビルフィッシュとはとても思えないしね。
3日目は私一人で気楽な仕事(いや、本当はきびし〜いんですよ、照れ屋だから、こう書いている
だけでね)です。その日の昼には、先方の社員食堂で食事で、これは気軽なローカルフード。
キャットフィッシュの皿をとりました。ナマズですな。ミュンヘンなら川魚。
ナマズを食べるのは初めてです。
くせもなく、淡白で美味でした。パラパラとした米をソースにからめて食べるのは、学習済み。
最後に残る少しのソースと細切れの野菜を食べようとフォークとナイフで悪戦苦闘していました。
「僕はフォークとナイフに慣れていないから、集中力が凄くいるのさ。」
「私達でもその状況は苦労するよ。でも、ハシでならうまく食べれるのかい?」
「当然さ。ハシを使えば、この米一粒一粒をつまんで食べられるよ。」
「とても信じられない。」
夜は、近所のビアレストラン。乾燥させたホップが店の中を飾り、田舎風の
嬉しい雰囲気でローカルスタッフを食べました。1皿だけでしたが、11ユーロほどでしたが、大きな
皿にマッシュポテトとザワークラウト(酢漬けのキャベツ)が山盛りで、
その上にベーコン、ソーセージ、レバーの団子、
牛のすね肉、とてんこ盛りです。ザワークラウトは、小さいころ、ドイツの作家の絵本で見てから
本場のものを食べたいと願っていたので、満足。
は、これまでと違って高級ホテルだったのですが、朝食はやはりバイキングです。みなさん、なんだか旅行での朝食って普段より沢山食べませんか?ご飯のおかわりが自由だったりして、普段の朝食は
トーストにコーヒーだけなのに、焼いたシャケやハムとサラダと目玉焼きもペロリと平らげ、
白いご飯も、漬物とともになぜか、3杯もおかわりして、美味しいですよね。
これまで、ミュンヘン名物、ヴァイスヴルスト(白ソーセージ)を食べたかったのですが、
なにしろ、朝作った新鮮なものを午前中にしか食べない、という習慣らしく、1回目と2回目の出張で泊まった
ホテルの朝食では、用意されていなかったので、なにしろ、仕事で行っていますから
夜まで自由はききません、したがって
チャンスがなかったのです。
今回はついに、念願かなって、食べることができました。
ミニ・ヴァイスヴルストって名前がついていましたが、なかなかどうして小さくないですよ。
毎日2本食べました。他にもブラットヴルスト(焼きソーセージ)、卵、サラダ、
それにパンが美味しい。これでもか、というくらいに食べました。
黒いパンツスーツを着たスラっとした年配の素敵な女性が受付をしていて、部屋番号をチェックしてくれる
のですが、毎朝、にっこり笑ってはっきりと挨拶して印象がいいように努めました。
最後の日に「今晩も泊まるの?」と訊かれたので、「いいえ、今朝発つんです。」と答えると、
親しい人の仕草と表情で、「それは残念です、いいフライトを」
と名残を惜しんでくれました。う〜ん、もう少しなかよくなれたらよかったのに。
イタリアンとフレンチでのディナーの飲み物はワインばかりでした。まぁ、「ビールを飲む」と
宣言してしまえばよさそうなものですが、ここは、またしても自分の壁を破るチャンスです。みんなに
あわせて、ワインを頼もう。
といいながら、ブルゴーニュのシャブリって、やっぱりどうしても、心馴染んだものを頼んでしまう
あたりが情けない。
結局、ホテルに帰ってから、あんなに料理を残しながら、ホテルのバーにふらふらと寄って、
フランシスカーナーのヴァイスビアを2杯飲みました。
やっぱりヴァイスビアはうまい。通常の大麦麦芽だけでなく、小麦を使っているのと、上面発酵
の酵母を使っているので、普通のビールの味とまったく異なります。濁った明るい黄金色、
しっかりした硬い泡立ちで、フルーティな香りと苦味を抑えたすっきりして、
しかも飲みごたえのあるコクがあるのです。そういえば、この間、近所の酒屋Asaoでも、
ヴェルティンブルガーが売っていたのですが、550円もするんですよ。向こうでは、
ビンのビールなら150円もしないのに。(注1)
空港ではホフブロイハウスの
ヴァイスビアをひっかけ、名残惜しく帰ることになりました。
11月10日にこれまで培った自分の技術についての講座を開かなければ
ならなかったので、その発表資料作りで、この2週間、かなり苦しみました。
なにしろ、このコラムの更新やWhat'sNewの更新も滞りがちになりましたから。
これは、昇格候補研修の一環で、趣旨は自分の技術の棚卸、後輩に自分の技術を伝承する、
ということなのですが、一方で、今の事業に深く関係のある話であることを求められます。
自分のやっていること、やってきたことの重要性は、事業との関わり合いで
測られるからなのです。
何故この俺が?
という疑問や、後輩に伝えたい技術ってなんだろう?という自分に対する
疑問にもなかなか答えが出ず、かといって、事業との関わりということだけなら、
今の仕事の中身が中心になるけれど、それでは単なるプロジェクト紹介
になってしまいます。
受講申し込み者のリストを見ると、以前に、一緒に仕事をした人、今、一緒に仕事をしている人たち、
そして、お世話になったり、いつも親しくしてくれている人たち、沢山の人が申し込んでくれています。
それだけにプレッシャーもきつかったのですが、
多くの人に支えられて私がいるということも、再認識しました。みなさんには
感謝の気持ちで一杯です。これから、ますます頑張らねば。
さて、若手の技術者に、伝えたいことは、グルメであり、グルマンであることが大事
ということです。
自分の専門技術を磨いて深くすることはアタリマエのこととして、
商品としてのデバイスを早く完成させるために、ときには自分の壁、研究所の壁も乗り越えて、
周辺の技術をどんどん貪欲に取り込んで消化していって欲しい、ということです。
自分の開発している技術が事業になるのか、商売になるのか、ときには設計段階のシミュレーションで
検証することも必要ですし、さらに、動くものを早く作ってユーザにはいりこんでいくことが
大事です。自分の大切なものだけを守っているようではスピードはあがりません。
とにかく、無事終えることができ、最終面談まで、予断を許さない状況ではありますが、
ようやく一山こえました。
さて、今回の出張報告も写真はなしです。 余計な荷物を持ちたくなかったのでデジカメは持って行かなかったのです。 携帯は向こうでは目覚まし時計です。携帯の充電はいつも、PCのUSBからするので、 200V仕様の充電器がなくても大丈夫。 このケーブル便利ですね。で、ついに、昨日、携帯を 買い換えました。メガピクセル仕様のカメラつき。 これで、デジカメを持っていかなくても大丈夫になったわけです。 携帯はまさに情報端末になりつつあります。このコラムの
次の海外出張編は写真つき
だ。いつになるかわからないけど。
4コママンガ<ハムとラン> とキャラのページ (c)Shimamura,T |
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hardy@max.hi-ho.ne.jp |
注1)前にも
書きましたが、外でビールを飲むとそれなりの値段です。だいたい、0.5Lで3ユーロから4ユーロといった ところでしょうか。 1ユーロ136円くらいですから、日本の中ジョッキと同じような値段です。ホテルも高いし、 結構、ドイツって物価が高いように思います。
注2)今回紹介した
DANchan's Home Pageの「Mysteryの
楽しみ方」へ入ってもらい、「スペンサーの食生活について」を見てください。
副題がいいですね。「タフな男でないと柔らかいチキンは作れない」