パパーノなんなんでしょう

No.56-2
2004/12/28

Away I'd rather sail away
Like a swan that's here and gone
(Paul Simon, "El Condor Pasa")

今回のなんなんでしょうは、
EuroSpot
です。


モバイル・アンド・ワイヤレス(ワイヤレス編)

モバイル編はこちら

(1)誰でも

誰かに命令されて、仕事をやらされるより、自分の好きな仕事を自由に したい、と思うことでしょう。でも、実際には、その気になれば かなり自由にいろいろなことができる職場なのに、
「上の人が何を考えているのかさっぱりわからん。」
「上の人が判断せぇへんから、仕事がでけへん。」
「となりのグループで何をやっているか全然みえへん。」
「あいつが、なんで評価されているのかわからへん。」
「彼は、いつも女性社員とダベってばかりいて、いったい何をしている のや?」
とか、まぁ、不満も多い人もたくさんいて、大変です。
さらに、いろんな利害関係者がいるなかで、自分がいくら正しいと思ったって、 100%自分の思うとおりになるわけがないし、面と向かって怒りゃいいのに、 カゲで「あいつはなっていない」と散々たたかれ、 そんな状況にワイヤレス状態でおかれているのも大変つらいです。
まぁ、そんなわけで、大人になれない私も、ついつい、いつもグチっぽくなるのも事実です。 多少は大目に見てください。でも、ね、迷惑なときは、はっきりと、そう言ってください。それも親切の うちですよ。

(2)自由に、

壮大な技術のロードマップを描けといわれると、 高周波の部品を開発していれば、どうしても、携帯の動向 が前提になってしまいます。これだけ、生産量が多く、そして、技術に 対してハングリーな製品は他にいくつもありません。そのわりに携帯に愛情を感じないので、 どうしてもおざなりな未来予測になってくるのですが、今回確信したことは、ワイヤレスLANが 携帯にすぐにでも入ってくる、そして携帯の未来を大きく変えるだろう、ということです。
何をいまさら、当たり前じゃないか、 と言う人もいるかもしれませんが。
今回の出張でもPCを持っていったのですが (仕事の片腕ですからね。ランの写真館別館を更新するためでも、遊ぶためでもないですよ。)、 空港のロビーで、ホテルで、ほとんどのところが、 ワイヤレスLANを接続できるホットスポットになっているのです。
そして、私が業務用に使っているPCはセントリーノが入っているので、 まったくもって、何のストレスもなく繋がります。無線LANに接続して、ブラウザを開くと、 スポットの業者のホームページにリダイレクトされ、ユーザー名とパスワードを入れると 使えるのです。

(3)ユーザー名とパスワードは、

クレジットカード決済ならネット上でその場で買うこともできます。 フランクフルトではT-MobileというドイツでシェアNo1の携帯電話のキャリア(NTT DoCoMoに相当する −参考資料) で1時間が8ユーロでした。少々高いですが、 国際電話の価格に比べたら安いということになります。 外にもVodaPhoneのホットスポットもありました。
ドイツで泊まったホテルでは、"swiss-com Euro-spot"で24時間で24ユーロほど、 安いといえば安いけれど、高いと言えば高い。しかも部屋ではなぜか接続できず、ロビーでしか 接続できないのもヘンでした。
さらに、A国で泊まったホテルでは、フロントに言うと、無料で、24時間使えるユーザー名と パスワードをもらえるのです。 これまでは、出張に出る前に、
「通信環境が悪すぎるので、メールも見ないし、連絡はFAXか電話で、頼む、後は知らん」
と言うことにしていて、 そんな状態でも不安も不満もなかったのですが、 一度、繋がることがわかると、どうしても仕事をしています。メールをチェックして 返事を出すと、またその返事が気になって仕方ありません。しかも、
「今、俺はヨーロッパでワイランにつないで仕事してるんだもんね−。」 と、それとなく、いや、あからさまに自慢したくて仕方ありません。
おかげで、深夜3時から5時にロビーで黙々と仕事をすることになりました。

(4)21日午前中に

ミュンヘン空港に着きました。もう、今年4回目になるので、おなじみですが、 ちょうど、クリスマスで、雪がつもって、しかも青空のいい天気、という絶好な 天候に恵まれました。昼食をマリアンプラッツの新市庁舎横のドニスルで 食べ、念願の白ソーセージとババリアン料理を堪能し、クリスマスでにぎわう 広場周辺を少し見物しました。あまりに長いソーセージが売っていたので、さっそく買い、 携帯で写真にとっていたら、何人かの人に笑われてしまいました。

ドニスルはこんな店構えです。 屋台で売っている焼きソーセージ。
        パンに挟んで売ってくれます。
これは長い。お腹一杯だったのに、ついつい、買って食べてしまいました。 雪が積もっていました。この日の晩の最低気温 は-19℃だったそうです。

(5)最終日、

23日は、予想どおり、相手先のドクターも家族が待っている、ということで、 夜は一人で、すっかりおなじみになったマリアンプラッツをブラブラしました。 この晩はひどく寒くはなく、 ポツンポツンと雨が降ってましたが、クリスマスのイルミネーションと オレンジ色の照明で、賑やかな雑踏のなかを屋台を覗いたりしながら、ブラブラして 楽しみました。 またしても、ソーセージ(ブラットヴルスト=焼きソーセージ)を食べました。 パンにはさんであるのですが、このパンがまた美味しい。
少し離れたところにある、パウラーナー・イム・タールに入り、ヴァイスビアを2杯、 飲みました。パウラーナーもミュンヘンの由緒正しいブリュワリです。ここのヴァイスビアは 香りも味もすばらしく、さらにコクがあります。
さらに、これまたおなじみになった、ヴィクト・アーリエン・マルクト(市場)へ行って 魚屋へ入りました。この魚屋はショーケースの中はたっぷりとひいた氷の上に、 おろした魚やそのままの魚やら、エビ、ロブスター、その他のシーフードが 美味しそうに展示されています。デリカテッセンもついていて、 フライなど、調理したものも売っていて、その場で食べられる ように、いくつかのテーブルが置かれています。そこで、 ヒラメのフライとジャガイモのダンプリングを 付け合せ、小さなパンとともに夕食にしました。この間のこのコラムで、 「ミュンヘンで魚もないもんだよな」と書きましたが、なんのことはない、 自ら、魚を選んで食べています。気にしない、気にしない。

こちらは賑やかなホフブロイハウス。 楽団が賑やかな演奏をしています。 まわりで何人かの人が踊っています。ときには大合唱になるときもあるそうです。
パウラーナー・イム・タールの店の中。こちらは 静かです。 パウラーナーヴァイスビア。
        照明が薄暗いのできれいに写りませんでした。残念。でも、しっかりした泡 が立っているのがわかるでしょう?これで0.5Lです。
新鮮な魚が並ぶショーケース ヒラメのフライとつけあわせの ジャガイモのダンプリング、そしてパン

(6)お腹も一杯になったので

もう一度、広場に戻ります。沢山の人が、青いマグカップを持って、 なにか湯気のでている飲み物を飲んでいるのが、さっきから気になります。 甘酸っぱい香りがする湯気が立ち込めた店で一つ頼んでみると、 なるほど、これがホットワインです。うわさに聞いていたけれど、 彼の地では、この季節に熱くした赤ワインを飲むのです。甘酸っぱくて熱い ワインは体をあたため、湯気のたつマグカップを両手で包むように持ち、 談笑している人たちを見ると、素朴で心まであたたかくなります。
ホットワインの屋台。1杯2.5ユーロ。5ユーロ払うと マグカップに入ったホットワインをくれる。横からマグカップを返すと2.5ユーロ返してくれるシステム。 イルミネーションと屋台の灯り。



さて、携帯をこのように活用していると、WLANでネットとつながればなぁ、と思います。 ホットスポットはこれからももっと増えるだろうし、WLANに繋がる携帯が普及すれば、 IPモバイルフォンも実現するはずです。
PCがどこの国からどこの国へもアクセスできるように、国際ローミングなんてまったく問題にならないし、 あとはセキュリティの問題だけですね。近くの端末を中継して基地局につなぐ、アドホックネットワーク も盛んに研究されているようだし、この技術が実現すればハンドオフもできるようになる ので、高速移動も可能になります。 私は、第4世代携帯電話は第3世代+進化したWLANになると予想します。と、すると、 意外と早く来るかもね。
さて、そんなことを考えながらの帰り、 フランクフルトへ到着したときに、コクピットからながながと案内があり、 聞き流していると、いつの間にか、太い声で歌いはじめました。
"I wish your merry cristmas, I wish your merry cristmas, .... and Happy New Year"
途中から何人かで合唱になり(大合唱ではありませんでしたが)、最後はみんなで拍手 しました。


どこでも、ワイヤレスLANでネットに繋がる世界をあらためて考えて見れば、 いつのまにかワイヤード状態にいる私を発見します。とにかく ネットに繋がらないと不安でしょうがない、 という条件反射が身についてしまいそうです。
パソコンや携帯はどんどん自由になり、逆に、人間は、どんどん何かに縛られていくわけです。
で、ついついトナカイを食べたかったという考えに縛られていた私は

鹿肉のクランベリーソース

を食べました。つけあわせが、これまた食べたかったシュペッツレ(卵と小麦のパスタ)美味しかったよ。
これで、今年のこのコラムは終わりです。次回は来年です。
いい年をお迎えください。


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