誰かに命令されて、仕事をやらされるより、自分の好きな仕事を自由に
したい、と思うことでしょう。でも、実際には、その気になれば
かなり自由にいろいろなことができる職場なのに、
「上の人が何を考えているのかさっぱりわからん。」
「上の人が判断せぇへんから、仕事がでけへん。」
「となりのグループで何をやっているか全然みえへん。」
「あいつが、なんで評価されているのかわからへん。」
「彼は、いつも女性社員とダベってばかりいて、いったい何をしている
のや?」
とか、まぁ、不満も多い人もたくさんいて、大変です。
さらに、いろんな利害関係者がいるなかで、自分がいくら正しいと思ったって、
100%自分の思うとおりになるわけがないし、面と向かって怒りゃいいのに、
カゲで「あいつはなっていない」と散々たたかれ、
そんな状況にワイヤレス状態でおかれているのも大変つらいです。
まぁ、そんなわけで、大人になれない私も、ついつい、いつもグチっぽくなるのも事実です。
多少は大目に見てください。でも、ね、迷惑なときは、はっきりと、そう言ってください。それも親切の
うちですよ。
壮大な技術のロードマップを描けといわれると、
高周波の部品を開発していれば、どうしても、携帯の動向
が前提になってしまいます。これだけ、生産量が多く、そして、技術に
対してハングリーな製品は他にいくつもありません。そのわりに携帯に愛情を感じないので、
どうしてもおざなりな未来予測になってくるのですが、今回確信したことは、ワイヤレスLANが
携帯にすぐにでも入ってくる、そして携帯の未来を大きく変えるだろう、ということです。
何をいまさら、当たり前じゃないか、
と言う人もいるかもしれませんが。
今回の出張でもPCを持っていったのですが
(仕事の片腕ですからね。ランの写真館別館を更新するためでも、遊ぶためでもないですよ。)、
空港のロビーで、ホテルで、ほとんどのところが、
ワイヤレスLANを接続できるホットスポットになっているのです。
そして、私が業務用に使っているPCはセントリーノが入っているので、
まったくもって、何のストレスもなく繋がります。無線LANに接続して、ブラウザを開くと、
スポットの業者のホームページにリダイレクトされ、ユーザー名とパスワードを入れると
使えるのです。
クレジットカード決済ならネット上でその場で買うこともできます。
フランクフルトではT-MobileというドイツでシェアNo1の携帯電話のキャリア(NTT DoCoMoに相当する
−参考資料)
で1時間が8ユーロでした。少々高いですが、
国際電話の価格に比べたら安いということになります。
外にもVodaPhoneのホットスポットもありました。
ドイツで泊まったホテルでは、"swiss-com Euro-spot"で24時間で24ユーロほど、
安いといえば安いけれど、高いと言えば高い。しかも部屋ではなぜか接続できず、ロビーでしか
接続できないのもヘンでした。
さらに、A国で泊まったホテルでは、フロントに言うと、無料で、24時間使えるユーザー名と
パスワードをもらえるのです。
これまでは、出張に出る前に、
「通信環境が悪すぎるので、メールも見ないし、連絡はFAXか電話で、頼む、後は知らん」
と言うことにしていて、
そんな状態でも不安も不満もなかったのですが、
一度、繋がることがわかると、どうしても仕事をしています。メールをチェックして
返事を出すと、またその返事が気になって仕方ありません。しかも、
「今、俺はヨーロッパでワイランにつないで仕事してるんだもんね−。」
と、それとなく、いや、あからさまに自慢したくて仕方ありません。
おかげで、深夜3時から5時にロビーで黙々と仕事をすることになりました。
ミュンヘン空港に着きました。もう、今年4回目になるので、おなじみですが、 ちょうど、クリスマスで、雪がつもって、しかも青空のいい天気、という絶好な 天候に恵まれました。昼食をマリアンプラッツの新市庁舎横のドニスルで 食べ、念願の白ソーセージとババリアン料理を堪能し、クリスマスでにぎわう 広場周辺を少し見物しました。あまりに長いソーセージが売っていたので、さっそく買い、 携帯で写真にとっていたら、何人かの人に笑われてしまいました。
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ドニスルはこんな店構えです。 | 屋台で売っている焼きソーセージ。 パンに挟んで売ってくれます。 |
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これは長い。お腹一杯だったのに、ついつい、買って食べてしまいました。 | 雪が積もっていました。この日の晩の最低気温 は-19℃だったそうです。 |
23日は、予想どおり、相手先のドクターも家族が待っている、ということで、
夜は一人で、すっかりおなじみになったマリアンプラッツをブラブラしました。
この晩はひどく寒くはなく、
ポツンポツンと雨が降ってましたが、クリスマスのイルミネーションと
オレンジ色の照明で、賑やかな雑踏のなかを屋台を覗いたりしながら、ブラブラして
楽しみました。
またしても、ソーセージ(ブラットヴルスト=焼きソーセージ)を食べました。
パンにはさんであるのですが、このパンがまた美味しい。
少し離れたところにある、パウラーナー・イム・タールに入り、ヴァイスビアを2杯、
飲みました。パウラーナーもミュンヘンの由緒正しいブリュワリです。ここのヴァイスビアは
香りも味もすばらしく、さらにコクがあります。
さらに、これまたおなじみになった、ヴィクト・アーリエン・マルクト(市場)へ行って
魚屋へ入りました。この魚屋はショーケースの中はたっぷりとひいた氷の上に、
おろした魚やそのままの魚やら、エビ、ロブスター、その他のシーフードが
美味しそうに展示されています。デリカテッセンもついていて、
フライなど、調理したものも売っていて、その場で食べられる
ように、いくつかのテーブルが置かれています。そこで、
ヒラメのフライとジャガイモのダンプリングを
付け合せ、小さなパンとともに夕食にしました。この間のこのコラムで、
「ミュンヘンで魚もないもんだよな」と書きましたが、なんのことはない、
自ら、魚を選んで食べています。気にしない、気にしない。
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こちらは賑やかなホフブロイハウス。 | 楽団が賑やかな演奏をしています。 まわりで何人かの人が踊っています。ときには大合唱になるときもあるそうです。 |
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パウラーナー・イム・タールの店の中。こちらは 静かです。 | パウラーナーヴァイスビア。 照明が薄暗いのできれいに写りませんでした。残念。でも、しっかりした泡 が立っているのがわかるでしょう?これで0.5Lです。 |
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新鮮な魚が並ぶショーケース | ヒラメのフライとつけあわせの ジャガイモのダンプリング、そしてパン |
もう一度、広場に戻ります。沢山の人が、青いマグカップを持って、 なにか湯気のでている飲み物を飲んでいるのが、さっきから気になります。 甘酸っぱい香りがする湯気が立ち込めた店で一つ頼んでみると、 なるほど、これがホットワインです。うわさに聞いていたけれど、 彼の地では、この季節に熱くした赤ワインを飲むのです。甘酸っぱくて熱い ワインは体をあたため、湯気のたつマグカップを両手で包むように持ち、 談笑している人たちを見ると、素朴で心まであたたかくなります。
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ホットワインの屋台。1杯2.5ユーロ。5ユーロ払うと マグカップに入ったホットワインをくれる。横からマグカップを返すと2.5ユーロ返してくれるシステム。 | イルミネーションと屋台の灯り。 |
さて、携帯をこのように活用していると、WLANでネットとつながればなぁ、と思います。
ホットスポットはこれからももっと増えるだろうし、WLANに繋がる携帯が普及すれば、
IPモバイルフォンも実現するはずです。
PCがどこの国からどこの国へもアクセスできるように、国際ローミングなんてまったく問題にならないし、
あとはセキュリティの問題だけですね。近くの端末を中継して基地局につなぐ、アドホックネットワーク
も盛んに研究されているようだし、この技術が実現すればハンドオフもできるようになる
ので、高速移動も可能になります。
私は、第4世代携帯電話は第3世代+進化したWLANになると予想します。と、すると、
意外と早く来るかもね。
さて、そんなことを考えながらの帰り、
フランクフルトへ到着したときに、コクピットからながながと案内があり、
聞き流していると、いつの間にか、太い声で歌いはじめました。
"I wish your merry cristmas, I wish your merry cristmas, .... and Happy New Year"
途中から何人かで合唱になり(大合唱ではありませんでしたが)、最後はみんなで拍手
しました。
どこでも、ワイヤレスLANでネットに繋がる世界をあらためて考えて見れば、
いつのまにかワイヤード状態にいる私を発見します。とにかく
ネットに繋がらないと不安でしょうがない、
という条件反射が身についてしまいそうです。
パソコンや携帯はどんどん自由になり、逆に、人間は、どんどん何かに縛られていくわけです。
で、ついついトナカイを食べたかったという考えに縛られていた私は
鹿肉のクランベリーソース
を食べました。つけあわせが、これまた食べたかったシュペッツレ(卵と小麦のパスタ)美味しかったよ。
これで、今年のこのコラムは終わりです。次回は来年です。
いい年をお迎えください。
4コママンガ<ハムとラン> とキャラのページ (c)Shimamura,T |
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