私の去年の反省としては、なるべく、こまめに上位マネジメントに状況を伝えようということです。
問題があればあるほど、どうしようとしているのか説明をして計画の変更や、優先順位のつけかたの承認、
そして、経営判断のお願い等、とにかく、言われてないから報告しなくてもいいや、なんて
思っていると、結局、後でつらい思いをするのは自分だ、ということです。
こういうのはステークホルダマネジメントの一部です。
「どうなんだ、今日はいい事しか、聞きたくないぞ。」
「へへへへー。」
「何がへへへだ。いったい、いつになったら出来るんだ?」
「明日ともあさってとも知れません。なにしろ、『設計はみずもの』ですから。」
「それを言うなら『材料プロセスはみずもの』だろうが。」
「いえいえ、『材料プロセスはお菓子のホームラン王です。』−受けませんでしたか、ははは。
まぁ、今月中にはなんとかなるでしょうから、待ってください。」
「・・・、ほんまに、お前の顔見てると怒る気にもなれんわ。」
というような会話がなされるわけでは決してありません(注1)が、ようやっと、このところのメンバーの
苦労が実り、なんとなく上手くいきそうな予感が漂う、今日このごろです。で、上手く行っているときは
報告もしやすいですから、いまのところ、「こまめに報告」を実行できています。
でもね、結局、上手くいかないときにどうするか、が問われるんですよね、皆さん。
そんな厳しい状況のなか、たちはだかる技術課題の解決のために、6月の7日から12日までかけて
ドイツはミュンヘンへ出張で行ってきました。
君は素晴らしい天気も一緒に連れてきてくれたね。
ドクターの陽気な挨拶で久しぶりの再会です。
去年2月にドイツへ出張したのが、初めての海外出張だったのですが、それ以来5回目の
ドイツはミュンヘンです。だいたい私が行っている間は、天気が若干崩れることがあっても
ほぼ全般的に青空高いいい天気で、今回も、その前の週までは雨が降ったり天気が悪かった
らしいのですが、私が行った一週間は雲で覆われがちではあったものの、
涼しく乾燥して心地よく、おおむねいい天気でした。
今回もシビアなミーティングを一日カンヅメで行ったのですが、やっぱりこちらの語学力の
問題で先方に主導権を握られるので、結構ツライ。ここのところ、少しは英語の勉強をしていた
ので、前に比べたら結構向上したと思うのですが、対等に喧嘩できるほどの力はありません。
向こうは言いたいことをきちんと言ってくる、要求も質問も100%してくる、私たちは
それに一生懸命100%答える。サービス精神を発揮して150%答えようとする。
ところが、こちらの要求と質問は150%努力して50%も伝わればいいほうで、しかも、
本当にお願いしたいこと−つまりは向こうにとっても難しいこと−はきっぱりと断られる、
というそういう状況では、まったくもって、本当に困ったものです。
「お前の英語は1年前に比べてかなり上達したな」と褒められたものの、まだまだ不十分だと、
再認識させられ、
あらためて、英語をしっかり勉強しなければ、と決意を新たにしました。次こそは完璧に言い負かしてやる。
私のチームの若手のホープのS君(私の周りはなぜかS君、Sさんが多い)を連れての出張です。
小柄なわりに、飲み会のときに、ひたすら何杯ものビールのジョッキを傾けるS君、今回は、「控えました」
ということで、それほど飲まずに少々びっくり。私もいつものペースより少し控えめにしながらも、
初日の飛行機での移動から、
それなりに楽しみました。関空からフランクフルトまで、ビールはヴァルシュタイナーを3本、
ベックスを1本、白ワインに赤ワイン、スパークリングワインと、ウオッカの
フィンランディアに
ベイリーズ、その程度にしたし、フランクフルト空港では、フランシスカーナーのヴァイスビア0.5Lを一杯飲んだ
だけにしておきましたし、さらに、
フランクフルトからミュンヘンまで、
ビールを一本だけにしました。そして、市内へ移動してから、現地でおなじみになったレストラン・ドニスルでの夕食時に
ハッカー・ショーのヴァイスビアとヘレスを一杯づつ飲むに
とどめました。
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(上)空港から市内へはSバーンで約40分
車窓からの風景 (下)緯度が高いので日が長い。晩の9時すぎにようやく日が暮れます。 |
新市庁舎のまわりは一部工事中。これでも晩の8時半 |
ビールはどれも美味しいと思うのですが、やはりヴァイスビアが実に美味い。ピルスナーやヘレス
も美味いけれど、ヴァイスまたはヴァイチェンは小麦を使った上面発酵のビールで、
苦味はあまりなく、深いコクとフルーティな香りが素晴らしい。どちらかというとワインのような
味わいです。ただ、そんなビールが苦手という方には、ピルス、あるいはヘレスがおすすめです。
ヘレスとピルスは似たようなものですが、ヘレスは軽く、ピルスはドライで苦味が強く感じられます。
ヘルhellというのが、英語のpaleにあたるドイツ語だということで、日常的に飲まれているのが、
これのようです。
今回はヘレスもよかったのですが、なんといってもレーベンブロイのプレミアム・ピルスが切れ味鋭く、
素晴らしい香りとともにとても美味しく感じられました。
それから、今回はパウラーナーの有名なドッペルボック「サルバトール」を飲みました。それは、お前
季節はずれだ、と指摘されてしまいましたが、なに、こちらは日本人、気にするものか、と
言っておきました。琥珀色のビールですばらしい味でした。(注2)
食べ物は、でかいすね肉のローストや、厚さ3cmはあろうかというボイルしたポーク
(ホースラディッシュを付け合せに、
とっても美味しいんですよ。)鹿肉のカレー風味、そして、ソーセージ、とたっぷり
堪能しました。帰りのミュンヘン空港でダルマイヤ(注意:
音が出ます。)のカフェで、ヴァイスビアとヴァイスブルスト(白ソーセージ)を食べ大満足。
ヴィールと呼ばれる子牛肉と香辛料としてチャイブかパセリ、レモンも加えることもあるそうですが、
比較的太くておおぶりな真っ白なソーセージです。
白い陶器の深い容器の中に湯につかって供されます。皮を剥いて、
独特な少し甘酸っぱいカラシをつけて食べます。ミュンヘンの名物ですが、午前中しか食べられません。
そういえば、「愛・地球博」でひょっとしたら食べれるかも。探してみてはいかが?(注3)
12月のクリスマスのときに海外出張で行ったときには、あちこちで無線LANがつながったことに
喜んでいましたが(モバイル・アンド・ワイヤレス(ワイヤレス編))、今回は、飛行機の中でも無線LANでインターネットで接続でき、
嬉しがって思わずこのページの更新を飛行機の中から仕事の合間にしてしまいました。
(What's New)
なんとなしに知っていたので、水平飛行に移ったすぐあとに、さっそくPCの電源を入れました。
さらにドキドキしながら無線LANの電源をONにしてみると、つながるではありませんか。
さっそくブラウザを立ち上げると、申し込みの
ページにリダイレクトされ、カードで決済する手続きをとれば、インターネットに接続できました。
このサービスはルフトハンザの
主要な航空便で行われているFlyNet
というサービスなのですが、
LANそのもののスピードは11Mbps、実際にインターネットにアクセスしている感覚では
1Mbpsくらいですが、十分です。フライト中ずっと接続して29.95ドル、最初30分(今回は
サービスで60分まで延長されていました)を9.95ドル
で後は分ごと0.25ドル、という2つの料金プランが用意されていて、少々高い気もしますが、
まぁ、飛行機の中で必死で資料を作っている
ような余裕のないビジネスマンにはリーゾナブルとも言える価格です。そのうち下がるだろうし。
面白いのは飛行機はエアバスなのですが、サービスそのものは
エアバスに押されてシェアを落とし苦しんでいるボーイングがやっているようで、各社とも
いろんなビジネスモデルを考えて商売の拡大を狙っているようです。
最近、スェーデンのエリクソンが航空機で使えるGSM基地局を開発したそうで、この秋冬あたりから
サービスができるようになるそうです。航空機上での電波の規制との調整がまだ必要なようですが、
近いうちに高度1万mから素敵なあの人に携帯でラブコールをかけられる日も来そうです。
(プレスリリース2005/6/13)
朝、駅から会社へ歩く途中、後ろからヒールの音が聞こえ、その一生懸命急いでいるような
不規則な音になぜかひょっとして私を追いかけているのでは、
とドキドキ期待感で、でも、すぐに振り返ってみて実はそこらの
ハゲのおっちゃんだったらバカみたいだしな、とも考えながら前を向いて歩いていました。だいたい、すぐに
不純な妄想をし、でも実際にはそんな期待は見事に打ち砕かれることがほとんどな私ですが、
今回ばかりは、期待どおりでした。
「ドイツどうでした?」
「いやぁ、今回も
あまりに仕事がきつすぎて
楽しんでいる余裕はありませんでいたよ。」
笑われちゃいました。
いや、ほんと仕事だったんですって。つらくて厳しくて悲しくて、ビールを飲んで
美味しい料理を食べる以外、楽しみがなかったんですから。
4コママンガ<ハムとラン> とキャラのページ (c)Shimamura,T |
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hardy@max.hi-ho.ne.jp |
注1)本当に
センター長報告は厳しいんです。でも、ここに書いた会話は、まったくのうそでもありません。
注2)くどく
なるし、以前にも書いたので省略しましたが、少し念のために書いておきましょう。 ボックBockは強いビールを指すドイツ語です。下面発酵(ということは ラガータイプ)でアルコール度数が高めで、色は褐色が多いです。ドッペルdoppelは doubleすなわち2倍の意味で、さらに強いボックということで、琥珀色をしたパウラーナーのサルバトールが 草分けなのです。ミュンヘンのあるババリア地方では、3月〜4月がこれを飲む季節らしいのです。 前も、ドッペルボックを飲んで、季節はずれだ と指摘されましたが、そのときは2月でした。ちなみに5月はボック、6〜8月はエキスポートか、ヴァイスビア、 9月の終わりとその次の週はオクトーバーフェストのためのメルチェンビア、11月からはヴァイナハツという クリスマス用のビールを飲むのが正しいのだそうです。(「世界ビール大全」 (マイケルジャクソン著、金坂留美子訳 (株)山海堂、1996年)初版)
注3)少し
検索してみたのですが、すぐにはわかりませんでした。多くはブログのページがひっかかって、なんだか 要領が得なかったので。それに料理を探してまわる時間と余裕はないかもしれませんね、地球博では。